成長ホルモンとは、脳の底についている脳下垂体から分泌される物質のこと。
成長ホルモンは子供の体を成長させる、骨や筋肉を増量する、身体組織を正しく機能させる、脂肪代謝を促すなど、多くの重要な働きをする。
成長ホルモンは深い眠りについている時や空腹状態の時によく分泌されるので、身体機能向上やダイエットのため分泌を促したいなら、しっかり睡眠を摂る・過食しないといった習慣が有効手段になる。
また筋トレや加圧トレーニングなど高強度の運動をすることでも、分泌量が増すと言われている。
脳の脳下垂体から分泌されるたんぱく質の一種
成長ホルモンとは、脳の底に吊り下がっている脳下垂体という器官から分泌される物質のこと。 ペプチドというタンパク質の一種であり、たくさんのアミノ酸が鎖のように規則的に結びついて構成されている。
脳下垂体から分泌された成長ホルモンは、肝臓にインスリン様成長因子という物質を産生させて、血液中に放出させる。血液中に放出された成長因子は、以下のようにさまざまな重要な働きをする。
- 子供の体を成長させる
- 骨や筋肉の量を増やす
- 皮膚を丈夫にする
- 身体組織を正常に機能させる
- 食べ物の栄養素からエネルギーを作り出す
- 脂肪代謝を促し体脂肪を燃えやすくする
- コレステロールを減少させる
ノンレム睡眠時や空腹時に、分泌が盛んになる
成長ホルモンは、子供の成長時にのみ分泌されるわけではなく、大人でも身体機能維持のため常時分泌されている。
特に入眠時(ノンレム睡眠時)やお腹が空いている時に多く分泌され、食事すると分泌がストップするという特徴がある。
また筋トレや加圧トレーニングなど筋肉に強く負荷がかかる運動を行うと、血液中の成長ホルモンが大幅に増加すると言われている。
よって身体機能の維持・向上や肥満防止のため、成長ホルモンの分泌を促したいならば、睡眠を十分に摂る、きつめの運動をする、食べ過ぎないといった生活を心掛けるのが、有効な手段といえる。
睡眠時間が短いと、ダイエットが上手くいかなくなるって知ってました?
食欲を抑える物質が減ってしまい、そのかわりに食欲が増す物質が増えてしまうからなんです!また脂肪燃焼に欠かせない筋肉を増やす成長ホルモンの分泌も減ってしまうので、睡眠不足はダイエッターの天敵です。
加圧トレーニングとは、腕や足の付け根にベルトを装着して行う筋力トレーニングのこと。こうすると血流が制限されて乳酸がたまり、成長ホルモン分泌促進の条件が整うので、効果的な筋力アップ&脂肪燃焼につなげることができます!
分泌量が多すぎても少なすぎても体に良くない
成長ホルモンは、上記でも述べた通り脂肪代謝促進やコレステロール減少といった効果を持つため、 としても注目されている。しかしたくさん分泌されるほど、体に良い影響を与えるというわけではないので、適量範囲内での分泌が大切といえる。
分泌量が多すぎると、インスリン抵抗性で血糖値が上がり糖尿病や高血圧のリスクが高まるほか、あごや手足などの部位が通常よりも大きくなる先端巨大症(アクロメガリー)という病態になってしまうこともある。
また分泌量が少なすぎても良くなく、子供の場合は低身長症(身長が伸び悩むこと)、大人の場合は身体機能の低下や代謝が落ちたりしてメタボリックシンドロームを招きやすくなる。
内臓脂肪の蓄積には成長ホルモン注射が有効
成長ホルモン分泌不全症という病気が原因で成長ホルモンの分泌量が少なく、脂質の代謝低下や体力低下が起きている人には、成長ホルモン注射による成長ホルモン補充療法が有効。
成長ホルモン注射は特に内臓脂肪に効き目があると言われており、医師の指導を受ければ自分で自宅で行うことも認められている。