メタボの診断基準の一つ、体脂肪蓄積にも影響している
血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のことを言う。食事をすると血糖値が上昇するが、健康な人ならばインシュリンが分泌されて正常な値を維持できる。
食品に含まれている糖質が消化・吸収されると、ブドウ糖として血液内に取り込まれる。血液内のブドウ糖が血糖であるが、活動のためのエネルギー源として利用される。血液によって筋肉や臓器などの細胞に運ばれてエネルギーとして消費される。
特に、脳はブドウ糖のみをエネルギー源としているため、不足すると集中力や記憶力が低下するなどの悪影響が及ぶ。
インシュリンとは、血糖値を下げる働きを持つ唯一のホルモンであり、食事により血糖値が上昇するとすい臓のランゲルハンス島β細胞で分泌される。
インシュリンは、血液中のブドウ糖を脂肪酸やグリコーゲンに変えて体内に蓄積することで、血糖値を下げる。
グリコーゲンは、すぐにエネルギーとして使用できるエネルギーであり、筋肉や肝臓に貯蔵されるが、筋肉や肝臓に貯蔵できないエネルギーは、脂肪酸に変えて脂肪細胞に蓄積する。
インシュリンが「肥満ホルモン」という別名があるのは、脂肪の蓄積を促進する作用を持っているためである。
血糖値を下げるホルモンはインシュリンだけであるが、血糖値を上げるホルモンは複数あり、次のようなものがある。
これらのホルモンは、筋肉や肝臓にグリコーゲンとして蓄積されているエネルギーを、ブドウ糖に分解して利用できるようにする働きがある。
健康な人は、血糖値を下げるホルモンや上げるホルモンが正常に働くため、通常は空腹時の血糖値がだいたい70~100mg/dlに保たれる。
血糖値が高い状態は高血糖と言い、低い状態を低血糖と言う。
血糖値が低くなりすぎると、脳のエネルギーが不足して記憶力や集中力が低下する。さらにひどくなると、ふるえや動悸などの症状が起こる。
高血糖が続くと、糖尿病や動脈硬化などの原因となる。インシュリンが十分に分泌されなかったり、インシュリンが上手く作用しないことによって、血糖値が高くなってしまう病気が糖尿病である。
糖尿病の症状や検査、予防、治療などを詳しく紹介しているホームページ。糖尿病チェックもある。
血糖値が上昇すると、体脂肪の蓄積を促進するインシュリンが分泌されるため、血糖値が急激に上昇すると、体脂肪の蓄積が促進されてしまう。
また、血糖値がゆるやかに上昇する場合には、インシュリンは分泌されにくく、体脂肪を蓄積しにくい。
食物繊維は血糖値の上昇を抑制する働きがあることから、ダイエットには食物繊維を多く摂取することが勧められている。
GI値の低い食品を摂取することで、体脂肪を減らすダイエット法に「低インシュリンダイエット」がある。
GI値とは、血糖値を上昇させるスピードを示す数値である。GI値の高い食品ほど血糖値を上昇させやすく、低い食品ほど血糖値の上昇がゆるやかである。
低インシュリンダイエットでは、GI値の低い食品を中心に摂取する。
GI値やGI値の高い食品、低い食品について詳しく紹介している。