白いんげん豆は、大福豆や白金時豆など白色種のインゲン豆のことである。食物繊維を多く含むことで知られるが、タンパク質のレクチンやポリフェノールなど他の成分も含んでおり、レクチンにはタンパク質のデンプンを分解するα-アミラーゼの消化作用を阻害する力がある。
白いんげん豆のエキスにはコレステロール低下などダイエット効果があるほか、排尿促進の薬効も期待できる。ただし生の莢や加熱不十分の豆を食すと、嘔吐や下痢など副作用が表れ得るため、正しい調理方法で食すべきである。
白いんげん豆は、白色の種類のインゲン豆のことである
白いんげん豆とは、白色を呈する種類のインゲン豆のことを指し、日本では大福豆や白金時豆がこれに該当する。用途は主に食用であり、和菓子の白あんの原料になるほか、マリネ、サラダ、煮物、スープなどさまざまな料理の具材として利用されている。
含有成分のレクチンが、α-アミラーゼの消化作用を妨げる
白いんげん豆は、食物繊維が豊富な食材として有名であるが、食物繊維の他にも、タンパク質のレクチン、ポリフェノール、アミノ酸類(ロイシン、リジン、アルギニン)など多種の成分を含んでいる。このうちタンパク質のレクチンは、炭水化物のデンプンを分解する酵素、α-アミラーゼの消化作用を妨げる特性をもつ。
抽出エキスに、コレステロール低下などダイエット効果あり
白いんげん豆の抽出エキスには、コレステロール値の低下など、いわゆるダイエット的な効果がある。
BMI値25以上の者に、インゲン豆エキス150mgとイナゴ豆エキス25mgを継続摂取させる実験では、血中コレステロール値の低下や悪玉コレステロール値の低下、脂肪の便排出増加の結果が報告されている。
また過体重の者に、炭水化物量の多い食事前にインゲン豆エキス445mgを摂取させる実験では、体重や脂肪量の減少、BMI値の低下、ウエストやヒップのサイズダウン促進の効果が認められている。
デトックスダイエットに役立つ食物繊維を多く含む食品一覧。食物繊維は、体の不要なゴミを便として排出し、腸内をキレイにしてくれる物質です。インゲン豆にとろろ昆布に抹茶など、普段の食事に取り入れやすい食品も多いのでぜひ利用しましょう!
排尿をうながす薬理効果もあると言われている
白いんげん豆には、排尿をうながす薬理効果もあると言われている。
ハーブの効果や安全性を評価する委員会・ドイツのコミッションEでは、白いんげん豆の莢(豆を内包している殻のこと)の部位を、排尿障害を治療する目的で使用することを許可している。
生の莢(さや)や加熱不十分な豆には、副作用リスクがある
白いんげん豆の莢には、タンパク質のレクチンが含まれるため、生の状態で大量に食してはならない。
理由はレクチンの副作用で、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの副作用が表れ得るからである。
莢だけでなく豆も、生あるいは加熱不十分のものを食すのはよくない。
白いんげん豆の誤った摂取方法を原因とする健康被害が、厚生労働省より発表されている。
被害内容は、某テレビ番組で紹介された調理方法に沿って、2~3分間煎った豆や生の豆を食した者が、吐き気、下痢、嘔吐の症状を訴えたというものである。
いんげん豆の正しい調理方法は、「水に浸したのち十分に煮て火を通す」であるため、安全に食すにはこの調理方法を遵守すべきである。