プーアル茶は、中国雲南省などで生産されている中国茶である。飲用することで、コレステロール値の低下や肥満解消の効果が期待できる。しかしカフェインを含む飲料であるため、大量摂取すると不整脈や不眠などの副作用が表れ得るため、適量摂取を守ることが大切である。
プーアル茶は中国雲南省で生産されている中国茶
プーアル茶は、中国雲南省南部や広東省などで生産されている中国茶の1つである。
ポーレイ茶、黒茶、後発酵茶、微生物発酵茶などいろいろな別称をもつが、プーアル茶と呼ばれることが多い。
ちなみにプーアル茶は漢字でと表記される。
製法により、生茶と熟茶の2種に分けられる
プーアル茶は、製法によって生茶と熟茶の2種類に大きく分けられる。
それぞれの製法を分かりやすくまとめると、殺青から緊圧までの処理ののち自然発酵させて作られるのが生茶であり、生茶の製造工程に微生物(コウジカビ)による発酵をプラスして作られるのが熟茶である。
熟茶には生茶に比べて、「大量生産が可能で低コスト」「品質が変化しにくい」などの長所がある。
そのため他国に輸出されるプーアル茶の大半は、熟茶であるとされている。
コレステロール値低下や肥満解消の可能性あり
プーアル茶は、コレステロール値の低下や肥満解消など、ダイエット効果を期待して飲まれることが多い。
効果の確実性については研究段階であるが、以下の通り可能性の高さを示唆する試験結果は報告されている。
試験1
【被験者】境界型の脂質異常症(高コレステロール血症)の罹患者47名
【試験方法】プーアル茶エキスを333 mg×3回/日、3ヶ月間にわたり継続摂取させる。
【試験結果】血中総コレステロール値、悪玉コレステロール値、中性脂肪値の低下が認められた。
試験2
【被験者】軽度肥満に該当する者36名
【試験方法】食事の際に、プーアル茶エキス333mg×3回/日を、12週間にわたり継続摂取させる。
【試験結果】体重、BMI、内臓脂肪面積の減少が認められた。
カフェインを含むので、長期的かつ大量の飲用は好ましくない
プーアル茶をダイエット目的などで、長期的かつ大量に飲用するのは好ましくない。
プーアル茶はカフェインを含有する飲料だからである。カフェインの大量摂取には、不整脈、不眠、めまい、下痢、吐き気、情緒不安、などの副作用リスクがあるほか、最悪のケースとして死に至る場合もある(カフェインの致死量は10~14gとされている)。
コーヒーや緑茶などに含まれているカフェイン。カフェインは眠気覚ましや集中力アップのメリットほか、脂肪燃焼効果も期待できますが、大量摂取による副作用やカフェイン中毒の怖さにも注目して欲しいところ。
プーアル茶は、適量の摂取ならば安全である
プーアル茶は、適量を口から摂取するのであれば安全といえる。
しかし先述したように長期的な大量摂取や、低品質のもの・保存状態の悪いものは、人体に悪影響を及ぼすカビの発生が心配されるので避けるべきである。
また心臓疾患や糖尿病、緑内障、高血圧、IBS、骨粗しょう症の罹患者も、十分な注意が必要である。
カフェインが原因で、これらの疾病が重症化する恐れがあるためである。
さらには、妊娠中のカフェイン摂取も注意すべきである。胎児の発育に悪影響が及ぶ恐れがあるためである。