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生薬として働くオオバコ
オオバコは生薬として用いられ、咳や強壮に有効と言われている。去痰薬として用いられることもある。
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オオバコのダイエット効果
オオバコは食物繊維に富んでいるため満腹感を得られやすくする働きがある。また、便秘解消にも用いられている。
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妊婦の使用や過剰摂取はNG
生薬として、定められた量であれば大丈夫だが、過剰摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性がある。また、妊婦は使用できない。
便秘を解消して、肌も腸内もキレイにするなら食物繊維がいい!
オオバコとは、世界各国に自生しているオオバコ科・オオバコ属の植物である。主に日本やマレーシア、東シベリアなどに自生する。別名、シャゼンソウ(車前草)、シャゼンシ、シャゼンヨウと呼ばれている。生命力が強く、交通量の激しい道路にも自生することからそう呼ばれるようになったとも言われている。種類は外来種も含め、200種以上にもなる。
在来種であるオオバコは多年草で、春から秋にかけて育ち、夏には花をつける。
元々はオオバコを始め、トウオオバコなど数種類のみの在来種が自生していたが、江戸時代頃に外来種(セイヨウオオバコ、ヘラオオバコなど)が渡来したとされている。
種子には食物繊維などが豊富に含まれ、生薬やサプリメントなどに利用されている。特に、オオバコサプリメントはダイエットにも取り入れられ、作用に期待されている。
利尿作用や強壮作用などに効果があると言われ、去痰薬などにも利用されている。
オオバコの葉は生薬として処方されたり、サプリメントとして経口摂取する分には安全であると言われているが、経口摂取でない(局所に使用した)場合には摂食皮膚炎などを発症させる恐れがある。また、過剰に摂り過ぎるとお腹を下したり、低血圧の症状を起こす可能性があるので注意しなければならない。
サイリウムは、オオバコ科オオバコ属植物の種を覆っている“ハスク”と呼ばれる外皮を砕いて精製されるものである。ハスクには食物繊維が豊富に含まれているため、サプリメントやオオバコ茶として加工される。
豊富な食物繊維は、胃腸内で水分を含み膨張し、満腹感を得られやすくする働きがある。満腹感が得やすいと食事量を減少することができるため、オオバコはダイエットに活用されている。
サイリウムを作るためのオオバコ属植物は2つに大別され、ブラックサイリウムとブロンドサイリウムである。どちらのサイリウムも食物繊維に富んでいるが、効果に少し違いがある。
高コレステロール血症の改善や便秘解消に効果があると期待され、ドイツでは植物の安全性を評価する機関(コミッションE)において、慢性便秘などにも利用されることが認められている。また、サイリウム由来の食物繊維成分を使った特定保健用食品も認められている。
しかし、摂取量が多かった場合には下痢などの胃腸障害が見られる可能性や、タイプが診断されていない糖尿病患者には禁忌とされている。そして妊婦への使用も慎重性を重視するか、避けるべきと言われている。
ブラックサイリウムよりも原料にされることが多いのがブロンドサイリウムである。
食物繊維を多く含み、ブラックサイリウムと同じ効果を持つが、2型糖尿病に対して効果が期待できると言われている。ドイツのコミッションEでは、便秘の排泄が困難な人(妊娠中で怒責することができない、痔核があるなど、排泄に何らかの障害がある人)に対する利用や過敏性大腸の治療などにおいて利用が認められている。
過剰に摂取してしまうと何らかの健康障害が見られることと、妊婦への使用はブラックサイリウムと同じで注意が必要ある。