ガラナは、南米のアマゾンに生息するつる性の植物である。熟した赤い実から採れる黒い種子には、グァラニンというカフェインに似た成分が含まれており、疲労回復や持続的な覚醒効果を有するとされる。適量であれば健康を害する心配はないが、不整脈や不眠などの副作用リスクがあるため、過剰摂取は控えるべきである。
ガラナの黒い種が、さまざまな飲食物や薬の原料になる
ガラナとは、南米北部のアマゾン熱帯雨林地域に生息するつる性の植物である。
一枝に密集して生る赤い実が特徴的であり、この実が熟すとなかから目を思わせる黒い種子が姿をあらわす。
これを砕いて炒り、水やタピオカを加えるなどして加工されたものはガラナエキスと呼ばれ、さまざまな飲食物や薬の原料に利用される。
カフェインに似たグァラニンに、疲労回復や覚醒効果あり
ガラナの種子には、グァラニンと呼ばれるカフェインに類似した成分をはじめ、テオブロミンやタンニンなど多種の成分が含まれている。グァラニンはカフェインと同様、疲労回復や覚醒の効果を有するとされる。
アマゾンの原住民は、グァラニンの疲労回復や覚醒効果を得る目的で、ガラナ種子で作られたガラナティーを飲用してきた。
ガラナのグァラニンは、カフェインに比べて代謝に時間がかかるため、穏やかな覚醒効果が長続きする。
また習慣性がないという特長もある。
カフェインのもつ効果と危険性がよく理解できるページです。カフェインには眠気覚ましや集中力アップなどの効果がある反面、副作用やカフェイン中毒など怖い一面もあるので、一度の大量摂取には要注意!
過剰摂取や医薬品との併用は避けるべき
炭酸飲料(コアップガラナなど)やサプリメントなど、ガラナを原料とした飲食品にはさまざまなものがある。
それぞれ適量を守れば健康被害の心配はないと思われるが、過剰摂取や妊娠中の摂取には注意が必要である。不整脈、不眠、吐き気、頭痛など、カフェイン特有の副作用を招く危険性が高いからである。
糖尿病患者の摂取や、ハーブ成分を含むサプリメント(エフェドラなど)・医薬品との併用は避けるべきである。
インスリンが効きにくくなったり、入院を要するほどの強い副作用が報告されているためである。不安障害や腎疾患への悪影響も心配されているため、罹患者は注意したい。