炭水化物は三大栄養素の一つ
炭水化物の代名詞「ごはん」
健康的なダイエット成功のカギをにぎる大事な栄養素。
炭水化物は三大栄養素の一つであり、体と脳のエネルギー源となる生命維持に欠かせない栄養素である。主に米やパンなどの穀類に多く含まれている。
三大栄養素は炭水化物の他に、脂質・たんぱく質があり、たんぱく質:脂質:炭水化物=15:25:60 の割合で摂取すると良い。
これら三大栄養素の摂取バランスを表す指標としてPFC比があり、たんぱく質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)の摂取量を考える際に用いられる。
三大栄養素のバランス「PFC比」の解説。PFC比の計算方法やPFC比とダイエットの関係を紹介している。
ダイエットと炭水化物
炭水化物は糖質と食物繊維に大別できる。
食物繊維とダイエット
食物繊維には、お腹の中で膨らんで満腹感を与える・余分な脂質を吸着して排出する・便秘の解消・腸内環境を整える などの働きがあり、高いダイエット効果が期待できる。
糖質とダイエット
糖質は血糖値を上昇させて脂肪を蓄積させるため、糖質を控えてダイエットを行う人も少なくない。
しかし、糖質はエネルギー源であり、必要な栄養素であるため、糖質を控えるのではなく、血糖値の上昇がゆるやかな食品で糖質を摂取することが大切であるとされている。
炭水化物を十分に摂取しつつ1日5食にすることで血糖値の急激な上昇を抑制するダイエット方法。
炭水化物が不足すると
炭水化物の摂取量を減らすダイエット方法として「低炭水化物ダイエット」や「アトキンスダイエット」などがある。
これらは、炭水化物を制限することでブドウ糖が不足した状態を意図的に作り出し、脂質をエネルギー源として使われやすくするというものである。
しかし炭水化物を極端に制限することは次のような危険性があるとされている。
- エネルギー不足になる
- たんぱく質と脂質の割合が増える
- 栄養が偏る
- 「ダイエット臭」とよばれる体臭が発生する
低炭水化物ダイエットの概要と危険性の解説。低炭水化物ダイエットでやせる仕組みとその危険性について詳しく述べられている。
1日に必要な炭水化物の量
厚生労働省発表の「日本人の食事摂取基準」による炭水化物の目標量を表1に示す。
この摂取基準によると、
推定エネルギー必要量を摂取していると仮定し、脂質を目標量の範囲で摂取し、たんぱく質を推奨量だけ摂取すると仮定した場合の、乳児を除く1歳以上の成人ならびに小児の目標量は50%E 以上かつ70%E 未満とされている。
(%Eとは、摂取したカロリーにおける炭水化物の摂取割合であり、PFC比の計算方法に基づく。)
すなわち、1日に摂取した食事の半分~70%のカロリーを炭水化物からとれば良いということである。
表1.炭水化物の1日当たり目標量
|
目標量の範囲 |
年齢 |
男性 |
女性 |
0~5ヶ月 |
設定なし |
設定なし |
6~11ヶ月 |
設定なし |
設定なし |
1~2 才 |
50%以上 70%未満 |
50%以上 70%未満 |
3~5 才 |
50%以上 70%未満 |
50%以上 70%未満 |
6~7 才 |
50%以上 70%未満 |
50%以上 70%未満 |
8~9 才 |
50%以上 70%未満 |
50%以上 70%未満 |
10~11 才 |
50%以上 70%未満 |
50%以上 70%未満 |
12~14 才 |
50%以上 70%未満 |
50%以上 70%未満 |
15~17 才 |
50%以上 70%未満 |
50%以上 70%未満 |
18~29 才 |
50%以上 70%未満 |
50%以上 70%未満 |
30~49 才 |
50%以上 70%未満 |
50%以上 70%未満 |
50~69 才 |
50%以上 70%未満 |
50%以上 70%未満 |
70 才以上 |
50%以上 70%未満 |
50%以上 70%未満 |
妊婦の付加量 |
|
設定なし |
授乳婦の付加量 |
設定なし |
※厚労省「日本人の食事摂取基準」(2010年版)より
食品のカロリーや栄養素を簡単に調べられるサイト。
PFC比も表示されるため、炭水化物の摂取割合が一目でわかる。
炭水化物を多く含む食品の例
炭水化物を多く含む食品は以下のような穀類やイモ類、豆類などである。
炭水化物を上手にとって、食べても太りにくい食べ方の解説。
炭水化物の働きとはどんなものですか?
炭水化物摂取についての厚生労働省基準なるものの科学的根拠は不明。糖質はグルコースとして脳の栄養に不可欠だから朝食抜きはでは昼間脳の栄養が不足するのでよくないなどという「俗説」があるが、これはおかしい。何故ならご飯など炭水化物を食べて消化吸収され肝臓を経てグルコースまで何時間かかるか全く考慮していないから(ジャムなど砂糖を含むものは別)。8時間-10時間という説もある。ならば朝食でなく夜食に炭水化物をとるのが理にかなっている。ご飯、麺類は胃に残留する時間が長い(腹持ちがよい)、因みにタンパク質は短時間で胃内(胃酸、ペプシンなど)で分解され腸に達する(肉、魚だけだとすぐ空腹になる)。脳の栄養としてのグルコースを生成するために炭水化物を取れという場合炭水化物摂取=>グルコース変換の所要時間を考慮しない俗説は信じないほうがよい。短時間にグルコースが必要なら砂糖、ブドウ糖を取れば良い。将棋士が対局中甘いモノをよく食べているのはそのせいでしょう。