リジン

リジンは、人の体内では生合成できない必須アミノ酸の1つ。食品では、肉、魚、牛乳、乳製品、大豆、大豆製品に多く含まれている。リジンは他の栄養素の吸収を助けるなど、体内で多くの働きをして組織の健康を保っている。リジンを十分に摂ると、疲労回復や集中力アップできるほか、脂肪燃焼を支えるなどダイエットにつながる効果を得ることもできる。

リジンは、外からの摂取が必要な必須アミノ酸

リジンは、人の体内では作り出すことができず、外から摂取する必要のある必須アミノ酸の1つ。人の体をつくるタンパク質の重要な構成物質だが、食品添加物、家畜のエサ、医薬品や化粧品の原料など、用途は幅広い。市場で有名な商品には、発毛効果のあるL‐リジンが配合された育毛サプリメントがある。

動物性食品や大豆に多く含まれている

リジンは植物性食品にはあまり含まれておらず、特に米や小麦など穀類にはほとんど含まれていない。
しかし動物性食品の肉、魚、牛乳、乳製品には多く含まれているので、これらを摂取源にすると良い。
また植物性食品でも例外的に大豆には多く含まれているので、大豆や大豆製品も良い摂取源になる。

リジンが特に多く含まれている食品には、豚のゼラチン、かつおの削り節、シラス干し、牛乳（カゼイン）、干し湯葉、高野豆腐などが挙げられる。

リジンを十分に摂取すると、健康を維持できる

リジンは体内では以下のような働きをするので、十分量を摂取することで健康を維持できる。

疲労が回復し、集中力がアップする

リジンはタンパク質の吸収を助ける働きや、エネルギーを発生させるブドウ糖の代謝を助ける働きをする。
したがってリジンを摂取すると、疲労回復や集中力アップの効果を得ることができる。

脂肪燃焼を促す働きを支える

リジンとメチオニンの2つのアミノ酸から成る物質に、L-カルニチンがある。
L-カルニチンは脂肪酸をミトコンドリアに運ぶことで、脂肪の燃焼を促す働きをしている。
したがってL-カルニチンの構成物質のリジンを摂ることは、脂肪燃焼促進の働きを支えることにつながる。

肝臓を元気にし、脂質異常症を予防する

リジンを摂ると、お酒の飲み過ぎなどで疲労した肝臓が元気になる。
肝臓が元気になると、脂肪を分解する酵素のリパーゼが活性化するので、脂質異常症のリスクを高める血中コレステロールや飽和脂肪酸の増加を抑制することができる。

骨や歯の健康を保つ

リジンはカルシウムの吸収を助ける働きをするので、リジンを摂ると、骨や歯などカルシウムを栄養源とする組織の健康が保たれる。

口唇ヘルペスを予防する

リジンは、口唇ヘルペスの原因となるヘルペスウイルスの感染を防ぐ働きをする。

脳卒中のリスクが低下する

リジンには血圧を安定させて血管を丈夫にする効果があるので、脳卒中の予防に役立つと言われる。

発毛効果で、抜け毛や薄毛を改善する

イギリスのサーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社の研究により、リジンには発毛効果があることが分っている。リジンを摂ると、抜け毛、薄毛、男性型脱毛症の改善に大きな期待がもてるため、育毛剤やサプリメントの成分に利用されている。