ローズヒップは、バラ科バラ属の植物に生る赤色の実のことである。用途が幅広く、食用ではジャムやハーブティー(ローズヒップティー)、薬用では金桜子の生薬名で漢方薬に利用されている。ローズヒップは多くのビタミンCを含有するため、摂取すると美肌効果を得ることができる。
また漢方においてローズヒップの効能・効果は、泌尿器系の不調改善やコレステロール低下、抗菌作用とされている。そのほか関節疾患の痛みを和らげるなど薬効豊かであるが、過剰量摂取による副作用やアナフィラキシーショックには注意すべきである。
ローズヒップとは、バラ科バラ属の植物に生る実のこと
ローズヒップとは、さまざまなバラ科バラ属の植物に生る実のことであり、やや黄色がかった赤い色をしている。
アメリカでよく利用されているのは、北ヨーロッパや北アフリカ・西アジアなどの地域に生息しているイヌバラに生るローズヒップであり、イヌバラはバラの元祖と言われている。
ローズヒップティーは、多くの人に飲用されている
ローズヒップの用途は幅広く、食用ではジャム、スープ、ハーブティーの原料などに利用されている。
乾燥させたローズヒップを煮出しして得られるハーブティーはローズヒップティーと呼ばれ、ハーブティー愛好家など、国内外を問わず多くの人に飲用されている。
ビタミンCの爆弾と言われるほど含有量が多い
ローズヒップは、「ビタミンCの爆弾」や「ビタミンCの宝庫」などと言われるほどに、多くのビタミンCを含んでいる。よってローズヒップティーは、豊富なビタミンCを得る目的で飲まれることが多い。ただしビタミンCが多いのは新鮮な実に限っており、乾燥させると大半が失われてしまうと言われている。
またローズヒップというとビタミンCばかりが注目されがちだが、他にもカロテノイド、フラボノイド、ペクチン、クエン酸、マレイン酸などさまざまな成分が含まれている。
漢方生薬の金桜子は、泌尿器系の不調に効く
中国伝統医学においてローズヒップは、漢方生薬の1つとして利用されている。
ナニワイバラの種類に生るローズヒップが用いられており、生薬名を金桜子(きんおうし)という。
金桜子の効能・効果は、腎臓など泌尿器系の不調改善、コレステロール低下、抗菌作用とされている。
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関節疾患の症状にも、薬理効果を発揮する
ローズヒップは、関節の疾患に対しても薬理効果を発揮する。
股やひざの関節が変形する変形性関節症にかかっている者に、ローズヒップが含まれる食品を1日5g、3ヶ月間食べさせる実験では、ひざや臀部の痛み緩和の結果が得られている。
変形性関節炎にかかっている者にローズヒップを摂取させる実験でも同様に、疼痛緩和の結果が得られている。
過剰量・アレルギー体質者の摂取は避けるべき
適量摂取であれば危険性はないが、過剰量の摂取は、多くの副作用が表れ得るので注意しなければならない。副作用には、吐き気、嘔吐、胸のむかつき、食道炎、イレウス、倦怠感、顏の火照り、頭痛、睡眠異常、下痢、尿路結石、深部静脈血栓症などが挙げられる。
ローズヒップはアナフィラキシーショックの原因にもなるので、アレルギー体質の者は摂取を避けるべきである。