飽和脂肪酸が多い脂の乗った肉
中性脂肪になりやすい飽和脂肪酸は肉などの動物性脂肪に多く含まれている。
飽和脂肪酸とは、脂肪組織に蓄積されやすい特徴を持つ脂肪酸の一つである。バターなどのように常温では固体で、高温下で溶けるという性質がある。そのため体の中でも固体になりやすく、中性脂肪などを増やしてしまう。
脂肪酸は、分子構造の中に不飽和結合(二重結合や三重結合)がない脂肪酸を飽和脂肪酸、不飽和結合があるものを不飽和脂肪酸、と二つに大別されており、飽和脂肪酸の「飽和」という言葉はこれに由来している。
飽和脂肪酸は乳製品、肉などの動物性脂肪に多く含まれているため、これらを取りすぎると肥満や脳梗塞などの疾患を引き起こすリスクが高まってしまう。ほかにもココナッツ油やヤシ油など熱帯植物の油脂に多く含まれていることが知られている。
飽和脂肪酸の例
飽和脂肪酸には、カプリル酸(8)、カプリン酸(10)、ラウリン酸(12)、ミリスチン酸(14)、パルミチン酸(16)、ステアリン酸(18)などがある(カッコ内の数値は炭素数)。
ダイエットと飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は脂肪組織に蓄積されやすい脂肪酸である。
したがって、ダイエット中は飽和脂肪酸の摂取をなるべく控えることと、摂取した脂質を中性脂肪に変えない工夫が必要である。
https://slism.jp/communication/pick-up-tokuho-foods.html
摂取した脂肪の吸収を抑えてくれたり、脂肪をエネルギーとして利用しやすくしてくれる特定保健用食品(トクホ)の紹介。
https://slism.jp/communication/clm-diet-good-tea.html
脂肪吸収を抑制する効果があるお茶や脂肪燃焼促進・脂肪蓄積を防いでくれるお茶の紹介。
一日に摂取すべき飽和脂肪酸の目標量
生活習慣として飽和脂肪酸を多く摂り続けていると、肥満だけでなく心筋梗塞や糖尿病の危険性が高まることが知られている。一方で、飽和脂肪酸はエネルギー源としても重要であるため、摂取量が多すぎても少なくても生活習慣病のリスクを高めてしまうことになる。
そのため、厚労省の「日本人の食事摂取基準2010年版」では一日に摂取すべき目標量の範囲が設定されている。
この目標量を下表に示す。ここで、目標量の単位は総エネルギー摂取量に占める飽和脂肪酸の摂取割合(%エネルギー)である。
表から、18歳以上の男女は摂取カロリーの4.5%から7%を飽和脂肪酸の摂取量にすることが目標とされていることがわかる。
飽和脂肪酸の1日当たり目標量(%エネルギー)
性別 |
男性 |
女性 |
年齢 |
目標量の範囲 |
目標量の範囲 |
0~5ヶ月 |
設定なし |
設定なし |
6~11ヶ月 |
設定なし |
設定なし |
1~2 才 |
設定なし |
設定なし |
3~5 才 |
設定なし |
設定なし |
6~7 才 |
設定なし |
設定なし |
8~9 才 |
設定なし |
設定なし |
10~11 才 |
設定なし |
設定なし |
12~14 才 |
設定なし |
設定なし |
15~17 才 |
設定なし |
設定なし |
18~29 才 |
4.5%以上 7%未満 |
4.5%以上 7%未満 |
30~49 才 |
4.5%以上 7%未満 |
4.5%以上 7%未満 |
50~69 才 |
4.5%以上 7%未満 |
4.5%以上 7%未満 |
70 才以上 |
4.5%以上 7%未満 |
4.5%以上 7%未満 |
妊婦の付加量 |
|
設定なし |
授乳婦の付加量 |
設定なし |
厚労省「日本人の食事摂取基準」(2010年版)より
飽和脂肪酸を多く含む食品の例
飽和脂肪酸を多く含む食品は以下のような乳製品、肉などの動物性脂肪や、ココナッツ油、ヤシ油など熱帯植物の油脂である。
飽和脂肪酸を多く含まない食品の例
飽和脂肪酸を多く含まない肉類や乳製品、油などには以下のものがある。