ミトコンドリアは、真核細胞をもつ生物の細胞に存在する小器官で、ソラマメのような形をしている。生命維持活動や運動に必須のエネルギーATPを産出したり、細胞をアポトーシスさせたりする重要な働きを行っている。
骨格筋(筋肉)のなかのミトコンドリアは、運動を続けると増殖する性質があり、増殖すると運動エネルギーがさらに増産・供給され、脂肪や糖の代謝も盛んになるので、肥満、生活習慣病、メタボの予防・改善につながる。
真核細胞をもつ生き物の細胞に含まれる小器官
ミトコンドリアは、人間など真核細胞をもつ生き物の細胞のなかに含まれている小器官。
生物の生命維持活動や運動に必須のエネルギー源、アデノシン3リン酸(ATP)を産み出す重要な働きをするものであり、1つの細胞のなかに100~2000のミトコンドリアが含まれていると言われている。
ミトコンドリアDNAが、エネルギー源のATPを産出する
顕微鏡を介してミトコンドリアを見ると、ソラマメのようにやや中心が凹んだ楕円形をしている。
内部構造は、外膜の内側にある内膜からクリステという襞がいくつも突出しており、なかはマトリクスという液で満たされている。
そしてマトリクスには、ATPを産み出すミトコンドリア遺伝子が含まれている。
ミトコンドリア遺伝子は、ATP産生のほかにも、細胞をアポトーシス(プログラム死)させる働きも行っている。
運動を長く続けると増え、脂肪燃焼や糖代謝が盛んになる
骨格筋(筋肉)の細胞のなかにいるミトコンドリアは、運動を長く続けることにより増殖する。
ミトコンドリアが増殖するとATPも増産されるので、運動に要するエネルギーがさらに供給されることとなり筋肉疲労が起きにくくなる。
また脂肪燃焼や糖代謝が盛んに行われるようになるため、肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームといった健康トラブルの予防や改善につなげられる。
活性酸素も産出するので、抗酸化力の強い食べ物で対抗を
ミトコンドリアは酸素呼吸によってATPを産み出すが、酸素呼吸の際は、体の老化の元凶とされる活性酸素も同時に産出される。
よってハードな筋トレなど高強度の運動を続けて行う場合は、老化対策として、リコピンの多いトマトやβカロテンの多い紫蘇など、抗酸化力の強い栄養素を含む食べ物を取り入れるのがよい。
脂肪をエネルギーに変える力をもった褐色脂肪細胞。効果的に脂肪をなくすためには、この細胞を活性化させるのがポイント。
ただし!褐色脂肪細胞には、体の老化をまねく活性酸素を出すミトコンドリアがたくさん存在するので、強力な抗酸化作用のある食べ物を摂って、若さと美を損ねないようにしましょう。