不飽和脂肪酸とは、脂質の構成成分である脂肪酸の一つである。
不飽和脂肪酸は健康に良く体脂肪になりにくい脂質として知られており、ダイエットに役立つ重要な栄養素であると言われている。
不飽和脂肪酸の分類
脂肪酸は、不飽和結合(二重結合)があるかないかによって不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸に大別される。
さらに、不飽和脂肪酸は二重結合の数によって一価不飽和脂肪酸(二重結合が1つ)と多価不飽和脂肪酸(二重結合が2つ以上)に分類される。一価不飽和脂肪酸にはオレイン酸などがあり、多価不飽和脂肪酸には、アルファリノレン酸・DHA・リノール酸などがある。
一価不飽和脂肪酸を多く含むものにオリーブオイルがあり、約80%のオレイン酸が含まれている。そして、多価不飽和脂肪酸は青魚に多く含まれている。
また、多価不飽和脂肪酸のうちn-3系脂肪酸(オメガ3)とn-6系脂肪酸(オメガ6)の2系統は人間の体内で合成することができない必須脂肪酸であるため、食品からの摂取が必要である。
不飽和結合による脂肪酸の分類
二重結合の有無 |
二重結合の数 |
代表例 |
多く含む食品 |
飽和脂肪酸 |
なし |
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸など |
動物性脂肪や、ココナッツ油、ヤシ油など熱帯植物の油脂 |
不飽和脂肪酸 |
一価不飽和脂肪酸 |
オレイン酸など |
オリーブオイルなどの油脂や肉類 |
多価不飽和脂肪酸 |
α‐リノレン酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、リノール酸など |
青魚や豆製品など |
これら脂肪酸の分類におけるさらなる詳細は、脂肪酸の頁でまとめている。
脂質を構成する「脂肪酸」の解説。たくさんの種類がある脂肪酸を分類している。
ダイエットと不飽和脂肪酸
脂質は重要なエネルギー源であるため適度に摂取しなければならないが、脂肪になりやすい飽和脂肪酸でなく不飽和脂肪酸を摂取するようにすることでダイエット効果を得る方法がある。
地中海式ダイエット
一価不飽和脂肪酸のオレイン酸を多く含むオリーブオイルは地中海式ダイエットに利用される。
https://slism.jp/related_terms/mediterranean_diet.html
地中海式ダイエットのやり方やその効果について説明したページ。
青魚ダイエット
多価不飽和脂肪酸を多く含む青魚を積極的に摂取する青魚ダイエットがある。
https://slism.jp/method/meal-aozakana.html
青魚ダイエットのやり方やその効果について説明したページ。飽和脂肪酸を多く含む肉中心の食事を魚に置き換えるダイエット方法。
ダイエット中も必要な必須脂肪酸
脂質はエネルギーが高く脂肪になりやすいため、ダイエット中は控えなければならない。しかし、体内で合成できない必須脂肪酸はきちんと食事から摂取する必要がある。
不飽和脂肪酸と酸化
一価不飽和脂肪酸は酸化しにくく、多価不飽和脂肪酸は酸化されやすいという特徴がある。これは、不飽和結合が酸化されやすい性質を持つためで、不飽和結合を多く持つ多価不飽和脂肪酸の方が酸化されやすいのである。
したがって、不飽和脂肪酸を多く含む食品を摂る場合は酸化に気をつけ、すみやかに利用する必要がある。
一価不飽和脂肪酸について
一価不飽和脂肪酸の摂取量
厚労省の「日本人の食事摂取基準2010年版」では、現時点で日本人での過剰摂取のリスクが明白でないとされており、一価不飽和脂肪酸の摂取上限値は設定されていない。
しかし、一価不飽和脂肪酸は摂れば摂るほど健康になれるというものではないため、ダイエットに利用する際は過剰摂取やカロリーオーバーに気をつけなければならない。
一価不飽和脂肪酸を多く含む食品
一価不飽和脂肪酸を多く含む食品は以下のような油脂や肉類である。
多価不飽和脂肪酸について
多価不飽和脂肪酸の摂取量
一日に摂取すべき多価不飽和脂肪酸の量は必須脂肪酸の頁を参照されたい。
人間の身体の中で合成できない必須脂肪酸の解説。n-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸の1日当たり必要量を知ることができる。
多価不飽和脂肪酸を多く含む食品
多価不飽和脂肪酸を多く含む食品は以下のような青魚や豆製品などである。