オリーブオイルに豊富なオレイン酸
オレイン酸とは、一価不飽和脂肪酸の一種であり、体内で合成できる脂質である。
オリーブオイルの主成分であることでも知られている。
動物性脂肪や植物性の油に多く含有されている。
コレステロール値の改善効果
オレイン酸には、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を下げる働きがあり、脂質異常症や動脈硬化を防ぐ効果がある。
オリーブオイルは成分の約7~8割がオレイン酸であるが、油脂類を主にオリーブオイルによって摂取している地中海地方では狭心症・心筋梗塞などの冠状動脈性心疾患の発生が少ないとされている。
しかし、多量に摂取すれば、得られる効果が高まるというわけではないため、過剰摂取に注意する必要がある。
酸化安定性
オレイン酸は不飽和脂肪酸の中でも酸化安定性が高く、オレイン酸含有率の高い食用油は酸化しにくい特徴がある。オレイン酸含有率が高く、「高オレイン酸」とうたった商品も登場している。
酸化しにくい油は、不快なにおいがしたり、風味が損なわれるなどの酸化の悪影響を受けにくいが、保存方法によっては、オレイン酸を多く含む油であっても酸化しやすくなる場合もある。
オレイン酸含有率の高い植物油
べに花油
オレイン酸含有率の高い主な植物油には、オリーブオイル・べに花油・こめ油・なたね油などがある。
植物油のオレイン酸含有量は次の通りである。
主な植物油のオレイン酸含有量
植物油の種類 |
オリーブオイル |
サンフラワー油
(高オレイン酸) |
米ぬか油
(こめ油) |
なたね油 |
ひまわり油
(高オレイン酸) |
オレイン酸
含有量 |
73000mg |
73000mg |
39000mg |
58000mg |
80000mg |
※数値は食品100g当たりに含まれる量を示す
オレイン酸含有率の高い食材
オレイン酸は植物油に多く含まれているが、豆類や果物などの食品からも摂取できる。主な食品に含まれるオレイン酸の量は次の通りである。
主な食品のオレイン酸含有量
食材の種類 |
マカダミアナッツ(いり、味付け) |
アーモンド
(乾燥) |
アボカド |
オリーブ(ピクルス・ライプ) |
枝豆
(生、ゆで) |
オレイン酸含有量 |
42000mg |
35000mg |
9500mg |
8500mg |
1900mg |
※数値は食品100g当たりに含まれる量を示す
オレイン酸の保湿効果
オレイン酸は、保湿効果が高く、石鹸などの洗浄剤や保湿剤、頭髪用化粧品などに多く活用されている。
シャンプーやヘアクリームなどのヘアケア製品に活用されている椿油の主成分もオレイン酸である。
オレイン酸を主成分とする椿油のヘアケア製品
オレイン酸を多く含む椿油を使ったヘアオイルやヘアクリーム、シャンプー、ヘアウォーターなど、多くのヘアケア製品が販売されている。