ナイアシンはビタミンB3とも呼ばれ、3大栄養素のエネルギー代謝をサポートする重要な物質である。深刻なナイアシン不足は、認知症などの症状が表れるペラグラを招くため、食物からきちんと摂取することが大切である。ただしダイエットの効率アップを目的に、サプリを大量に飲むといった摂取の仕方は避けるべきである。大量摂取は、吐き気や下痢などの副作用を招くためである。
ナイアシンは、酵素の働きをサポートするビタミンB群の1つ
ビタミンB群に属するナイアシンはニコチン酸とニコチンアミドをまとめた呼び方であり、水溶性ビタミンの1つである。
ビタミンB3とも呼ばれ、NADやNADPへと変わることで、3大栄養素の糖質(炭水化物)・たんぱく質・脂質をエネルギーに変換する際に、酵素の働きをサポートする重要な役割を果たす。
※NADはヌクレオチドの略称であり、NADPはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸の略称である。
不足すると、認知症状などが表れるペラグラのリスクが増す
ナイアシンが不足すると、食欲減退や消化不良などの体調不調が起こるようになる。
不足が深刻になると、認知症、下痢、湿疹の症状が表れるペラグラ(ナイアシン欠乏症)の発症リスクが高まる。
ナイアシンやトリプトファンを含む食品の摂取で、予防を
体調不調やペラグラを防ぐには、ナイアシンやトリプトファンを含む食品の摂取が有効である。
トリプトファンとは、体内でナイアシンを作り出す必須アミノ酸のことである。トリプトファンを食品から摂取した場合、トリプトファンの1.6~1.7%がナイアシンに変わると言われている。
ナイアシンは、魚類や肉類など、動物性の食品に多く含まれている。
日本人が、普段の食事で口にするような食品にナイアシンは含まれている。
よって日本の食生活で深刻なナイアシン不足に陥り、ペラグラの発症にまで至る可能性は極めて低い。
ただしアルコール依存症で栄養不足の状態にあるとリスクが増すので、該当者は注意が必要である。
不足しがちなビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12を含んでいる食品の一覧です。ナイアシンをはじめビタミンB群は、3大栄養素をエネルギーに変える重要な物質なので、健康的にダイエットするためにもしっかり摂取しましょう。
ナイアシンが不足すると、ダイエットの効率も悪くなる
ダイエットが原因のナイアシン不足にも注意したい。
ダイエット中は肉類のカットなど、無理な食事制限をしがちになるためである。ナイアシンが不足すると代謝力が低下し、ダイエットの効率も悪くなるため、栄養バランスの整った食事できちんと摂取することが大切である。
ただし食事に加えて、ナイアシンのサプリメントを大量に飲むといった摂取の仕方は控えるべきである。
大量摂取で、吐き気・下痢・胸やけなどの副作用が表れることがあるためである。高血圧で血圧降下剤を服用している者は、低血圧や不整脈を引き起こす危険性があるため、安易な利用は禁物である。