【亜鉛が多い食品・食べ物】効果・欠乏・過剰摂取
- 2013年1月25日
- 投稿者:二拾七
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「亜鉛」と聞くと、身体に良いのか?と疑問に思う人もいると思われますが、人体における亜鉛の役割はイメージと全く違うものです。体内で働く酵素の金属成分として、美容を気にする女性や健康維持などのためには欠かせない存在でもあるんですよ。皆さんの美容と健康をサポートする亜鉛についてご紹介していきましょう!
亜鉛の働きによる効果
体内における亜鉛の働きは、タンパク質の合成や病気から身を守る免疫機能の維持などです。味覚を正常に保つ働きや、生活習慣病を予防するといわれており、亜鉛欠乏症や味覚減退などの症状を改善する効果などが認められています。
欠乏症や味覚の異変から保護するためにも、適度な亜鉛摂取が必要となります。
もし亜鉛が欠乏すると…
亜鉛の1日の推奨量は、成人男性(18~29歳)で12mg、成人女性(18~29歳)で9mgとなっています。
日々の亜鉛摂取量が推奨量を下回り続け不足すると、味覚障害や皮膚炎などが起こり、免疫機能低下や貧血、精神障害などの可能性も高まることに。小児における亜鉛欠乏は成長障害などの原因にもなり、胎児の場合では低体重で出生する可能性もあります。
このように亜鉛が不足するだけで、数多くの病気のリスクを高めてしまうことになるため、できるだけ食生活に亜鉛を取り入れるように心がけることが大切です。
過剰摂取による症状
亜鉛は不足による欠乏症の方が恐れられていますが、不足させないようにと過剰に摂取しすぎると過剰症の原因となります。
普段どおりの食事では過剰症の心配はありませんが、サプリメントなどで過剰に摂取した場合では急性亜鉛中毒や吐き気などが認められ、慢性的に多い量を摂り続けていると免疫障害や神経障害、銅や鉄の吸収を阻害するようになり、栄養素の更なる欠乏症が現れる可能性が高まります。
亜鉛が多い食品・食べ物
上述したように、亜鉛はタンパク質の合成や免疫機能の維持に関与する働きがあり、不足すると免疫力低下により様々な病気を引き起こす可能性が高まります。
通常の食生活では不足することは少ないとされていますが、極端に食事を制限したダイエットを行っている場合は注意が必要です。健康やダイエットのためにも、亜鉛が含まれる食品をバランス良く摂取するよう心がけましょう。
牡蠣(養殖、生) 13.2mg
海のミルクとも呼ばれるカキは、栄養素が豊富であり、生のままや焼き、フライなどの食べ方が好まれる食材です。牡蠣には亜鉛のような味覚障害を予防する健康効果を始め、血液をサラサラにする効果のあるEPAを含んでいます。さらに血中コレステロールを下げる効果が期待できるタウリンなども含まれており、健康に良い食品なのです。
牡蠣は1個のカロリーが低いため、ダイエット中でも摂取しておきたい食べ物と言えます。
牡蠣の状態 | 含有量 |
---|---|
牡蠣(養殖、生) | 13.2mg |
牡蠣(養殖、水煮) | 14.5mg |
牡蠣(くん製油漬缶詰) | 25.4mg |
肉類
魚介類には亜鉛を多く含んでいる食ベ物がたくさんありますが、同じ動物性食品である肉類の赤身部分にも亜鉛が多く含まれているので、食事に赤身部分を取り入れるのも◎!
しかし、赤身部分に亜鉛が多くても、カロリー自体が高いので、摂取する際には工夫が必要になります。
肉の種類 | 亜鉛含有量 | カロリー |
---|---|---|
和牛肉 かた (皮下脂肪なし、生) | 5.1mg | 265kcal |
和牛肉 かた(赤肉、生) | 5.7mg | 201kcal |
乳用肥育牛肉 かた(赤肉、生) | 5.1mg | 143kcal |
乳用肥育牛肉 かたロース(赤肉、生) | 5.7mg | 212kcal |
乳用肥育牛肉 リブロース(脂身つき、焼き) | 5.3mg | 511kcal |
乳用肥育牛肉 リブロース(赤肉、生) | 5.2mg | 248kcal |
乳用肥育牛肉 もも(皮下脂肪なし、焼き) | 6.4mg | 245kcal |
乳用肥育牛肉 もも(皮下脂肪なし、ゆで) | 6.6mg | 252kcal |
乳用肥育牛肉 もも(赤肉、生) | 5.1mg | 140kcal |
輸入牛肉 かた(脂身つき、生) | 5.0mg | 180kcal |
輸入牛肉 かた(皮下脂肪なし、生) | 5.3mg | 157kcal |
輸入牛肉 かた(赤肉、生) | 5.5mg | 130kcal |
輸入牛肉 かたロース(脂身つき、生) | 5.8mg | 240kcal |
輸入牛肉 かたロース(皮下脂肪なし、生) | 5.8mg | 237kcal |
輸入牛肉 かたロース(赤肉、生) | 6.4mg | 173kcal |
輸入牛肉 リブロース(赤肉、生) | 5.0mg | 174kcal |
豚レバー | 6.9mg | 128kcal |
ラム かた(脂身つき、生) | 5.0mg | 233kcal |
焼きたらこ(すけとうだら) 3.8mg/(可食部100gあたり)
スケトウダラは冬に漁獲される魚であり、その卵巣であるタラコはご飯のお供として親しまれている食材です。たらこは辛子明太子や焼きタラコにして食べられますが、亜鉛が一番多く含まれているのは焼きたらこです。たらこ1本あたりのカロリーは低いものとなっていますが、食べ過ぎるとカロリーは高まるので食べる量に気をつけましょう。
たらこの状態 | 含有量 |
---|---|
すけとうだら たらこ(焼き) | 3.8mg |
すけとうだら たらこ(生) | 3.1mg |
すけとうだら 辛子明太子 | 2.7mg |
卵 4.2mg
卵には良質なたんぱく質が含まれているとともに、亜鉛などのミネラルが豊富に含まれています。
しかし卵には、血中コレステロールを増やす働きがあるため、ダイエット中の食べ過ぎは避けたい食品です。
たらばがに(水煮缶詰) 6.3mg
カニの仲間ではなく、ヤドカリの仲間とされているタラバガニは、北海道周辺の海などで漁獲されています。また、脚の数が6本であることもカニの仲間ではないためと考えられています。
タラバガニは生でも、茹でても亜鉛の量が比較的多く含まれているのですが、水煮の缶詰が一番亜鉛を多く含んでいます。水煮缶詰の食べ方としては、雑炊やスープなどにして食べると美味しいでしょう。また、タラバガニはカロリーが低いですが、たらばがにの水煮缶詰は100gあたり約90kcalほどするため、食べ過ぎには気をつけましょう。
たらばがにの状態 | 含有量 |
---|---|
たらばがに(水煮缶詰) | 6.3mg |
たらばがに(生) | 3.2mg |
たらばがに(ゆで) | 4.2mg |
あわび(水煮缶) 10.4mg
あわびは全国に生息し、海藻などをエサに成長している高級貝の仲間です。あわびの育成は、生息場所の水温によって成長に差が出ると言われ、関東と北海道では北海道の方が成長するのが遅いです。亜鉛含有量の多いアワビの水煮缶は炊き込みご飯にして食べたり、スープにしても美味しく食べられる食材です。ただし、たんぱく質が高いので、高級貝とはいえ沢山たべる機会があっても、ダイエット中なら量を控えた方が良いでしょう。
亜鉛を取り込んで、欠乏を予防しよう!
亜鉛が欠乏すると、味覚障害や免疫力低下などの症状を引き起こす原因になるため、紹介した食品などを食事に取り入れながら不足を予防しましょう。また、ダイエット中であれば亜鉛を多く含んだ食べ物を上手に使い、ダイエットに影響しないような食事に心がけると良いでしょう。
中には脂質やたんぱく質が多いものが沢山ありますので、運動も忘れないようにしましょう!
参考資料
- 「健康食品」の安全性・有効性情報
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail36.html
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail672.html - 厚生労働省 日本人の食事摂取基準2010
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4ai.pdf - その他資料
http://tuna.fra.affrc.go.jp/topics/210709/youshi13.pdf
http://lin.alic.go.jp/alic/month/dome/2002/oct/wadai.htm
http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/letter/no12.pdf
http://www.food.maruha-nichiro.co.jp/products/product.php?j=4902165440706
http://www0.nih.go.jp/eiken/info/pdf/kenkoeiyonews10.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/61/1/61_1_11/_pdf
亜鉛の過剰摂取に注意。J NCI,Vol.96,No.14,July,21,2004には1日100mg以上を10年以上摂取していると前立線癌のリスクが高くなると報告されている。