葉酸が多い食品・食べ物の効果/サプリメントの摂り方
- 2013年1月24日
- 投稿者:二拾七
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名前くらいは聞いたことのある葉酸。でも、その働きや効果までは知らないって人も多いのではないでしょうか。葉酸は健康にも成長にも必要な働きがあり、体内には欠かせません。
皆さんも知らなかった葉酸の働きや、葉酸が多い食品などをご説明していきます。
葉酸の作用・効果
葉酸は水溶性ビタミンB群の一種で、赤血球や胎児の成長において重要な働きを担っています。アミノ酸やビタミンの代謝、タンパク質の生合成に関与し、造血機能などにも使われる栄養素です。
この葉酸は胎児に起こる神経管閉鎖障害のリスクを低下させる栄養素となるため、妊娠前と妊娠初期は特に厚生労働省で推奨されている量の摂取を心がけたい栄養素でもあります。その際は食事で不足する分をサプリメントで補うことが「妊産婦のための食生活指針」(厚生労働省)において推奨されています。
ですが、たくさんの葉酸を摂取すれば良いという訳ではなく、過剰摂取を繰り返すと蕁麻疹や呼吸障害などの葉酸過敏症を引き起こす場合もあるので摂取量に注意も必要です。
葉酸の欠乏症
葉酸の不足は様々な場合において見られ、妊娠時や授乳時、アルコール中毒時などにも欠乏症状が起こる可能性があります。これらは食事からの摂取が不足していたり、腸からの吸収が上手くいかない場合などに起こります。
さらに、葉酸が不足すると血液を造りだす器官に異常が現れ、神経障害や巨赤芽球性貧血などのリスクを高めたり、妊娠中であれば胎児において神経管閉鎖障害が起こるとも言われています。しかし、この神経管閉鎖障害については、ある一定の期間内において母体が一定量の葉酸を摂取することでリスクが低下することが分かっています。
葉酸が多い食品・食べ物
葉酸は、元々ホウレン草から抽出された栄養素であり、ほうれん草などの葉物や柑橘類に多いとされています。ご紹介する食材は可食部100gあたりの葉酸含有量が多いものです。文部科学省『五訂日本食品標準成分表』に収められている食材の中から、スーパーなどで手に入れやすく、葉酸を摂取しやすい食材を紹介しますので、今日からでも食事に取り入れてみてくださいね。
えだまめ
えだまめは、ビタミン・ミネラルが豊富であると同時に、実はタンパク質と脂質が高い食材でもあります。アルコールを分解する成分を持っているため、お酒を飲むときには欠かせません。
また、エダマメにはレシチンと呼ばれる脂質の一種が含まれており、余分な脂質を体外へ排出する効果が期待できると言われています。ダイエットにも役立つ食材と言えます。
状態 | 含有量 |
---|---|
えだまめ(生) | 320μg |
えだまめ(ゆで) | 260μg |
えだまめ(冷凍) | 310μg |
ブロッコリー(花序、生) 210μg
ブロッコリーは葉酸だけでなくビタミンCも多く、コラーゲン生成を助ける働きがあります。コラーゲン生成という女性に嬉しい効果を持っていますが、水溶性ビタミンなので長時間茹でたり、煮込むとビタミンCが失われていくので注意してください。煮汁が使えるのなら、煮汁ごと調理すると水に溶けだしたビタミンCを丸ごと摂取することができます。
ほうれん草(葉、生) 210μg
葉酸の含有量が注目されるホウレン草ですが、実は数多くの栄養素を豊富に含んでいます。特に葉酸以外では鉄分が多く含まれており、貧血予防に良いとされています。鉄はビタミンCを同時に摂ると効率よく吸収することができるので、ほうれん草を食べるときはビタミンCを含んだ食品を一緒に摂取すると葉酸だけでなく、鉄も効率よく摂取できるでしょう。
あまのり
あまのりは、スーパーなどに出荷される焼き海苔や味付け海苔に加工される海藻です。
100g摂取するとカロリーは180kcal前後となりますが、実際に摂取する量は数グラムのため、ダイエットに影響はありません。しかし、数グラムであっても葉酸はそれなりに含まれているので、ダイエット中の食事に取り入れるようにすると良いでしょう。
種類 | 含有量 |
---|---|
干し海苔 | 1200μg |
焼きのり | 1900μg |
味付けのり | 1600μg |
レバー(生)
生のレバーにはどんな肉種にも関わらず、葉酸が豊富に含まれています。鉄や銅の含有率も高く、貧血気味な人にはお勧めの食材となっています。
無理なダイエットでは貧血を引き起こす可能性もありますので、レバーやほうれん草などの鉄分を多く含む食材を摂取するようにすると葉酸の摂取にも繋がり一石二鳥です。
ただし、現在ではレバーの生食は禁止となり、しっかりと加熱調理したもののみが摂取できるようになっています。レバーを食べる際は十分注意してください。
種類 | 含有量 |
---|---|
牛レバー | 1000μg |
豚レバー | 810μg |
鶏レバー | 1300μg |
葉酸を上手に摂るにはサプリメントを活用しよう!
葉酸の1日の摂取推奨量は、18歳以上の男性で240μg、女性も同じく240μgで、この数値を目安とすると体内から不足することはないでしょう。
ただし、妊娠の4週間前~妊娠8週目の女性(妊娠を計画している女性、または妊娠の可能性がある女性)は胎児の神経管閉鎖障害のリスクを減らすためにサプリメントによって400μg多く葉酸を摂取することがすすめられています。サプリメントの葉酸は食事で摂取する食事性葉酸よりも体内での利用効率が高いため、400μg多く摂るだけで済みます。一方、食事性葉酸は体内での利用率がサプリメントの50%程度なので、食事から多く摂る場合は400μgでなく800μg分摂取する必要があります。
- 成人女性: 食事から240μg
- 妊娠の4週間前~妊娠8週目の女性:
食事から240μg + サプリから400μg
もしくは、食事から240μg + 食事からさらに800μg
食事だけで不足していないか不安な女性・妊婦は医師に相談した後、サプリメントを上手に利用すると良いでしょう。
参考資料
- e-ヘルスネット 葉酸とサプリメント‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果
http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-002.html - 「健康食品」の安全性・有効性情報
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail652.html 葉酸解説
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail1550.html 妊娠中の食事とサプリメントについて - 国立保健医療科学院 葉酸を多く含む食品 http://www.niph.go.jp/soshiki/shogai/yousan/tsuuchi/sankousiryou1/beppyou/beppyou.htm
- 日本人の食事摂取基準2010 葉酸の摂取量
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4u.pdf - 農林水産省/妊婦さんに大切なビタミン、葉酸
http://www.maff.go.jp/j/fs/diet/nutrition/vitamin/column2.html - 国民生活センター 胎児の正常な発育に役立つ「葉酸」を摂取できるとうたった健康食品(発表情報) http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20110526_1.html
- その他文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcam/6/2/6_2_53/_pdf 葉酸摂取のすすめ
http://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/joho/0801/joho01.html 葉酸の働きと疾患の予防効果について
http://vegetable.alic.go.jp/yasaibook/pdf/c02.pdf 野菜の栄養素と機能性成分