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【ビタミンB1/B2/B12】欠乏を防ぐビタミンB群食品リスト

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ビタミンB群は、糖質からのエネルギー生成やたんぱく質・脂質の代謝などに関わっている、ダイエット中にこそ確実に摂りたい栄養成分です。食品成分表2010に載っている8種のビタミンB群のうち5種は不足しにくいといわれていますが、3種は不足しがちです。その3種をしっかり摂って、健康的なダイエットを目指しましょう。

【ビタミンB1/B2/B12】欠乏を防ぐビタミンB群食品リスト

ダイエット中はビタミンB群が不足しがち

日本食品標準成分表2010にはビタミンB群のうち8種の数値が載っています。8種のうちビタミンB6と葉酸、ビオチンは腸内細菌によって合成され、ナイアシンとパントテン酸はいろいろな食品に含まれていて普通の食事で充分摂取できるので、通常は不足しないといわれています。つまり、残りの3種、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12は不足しがちな、意識して摂らなくてはならない栄養成分です。

ビタミンB群は水溶性で、過剰に摂取しても排泄されて過剰症にならない反面、体内に長時間蓄えておくことができないので常に必要な分を摂取しなければなりません。

また、ビタミンB群を豊富に含む食品は高カロリーであるとかコレステロールが多いといった制約のあるものが多く、レバーや魚卵のように嗜好が極端に別れ食べない人は全く食べないものもあります。ビタミンAであれば人参、ビタミンCであればピーマンなどの、入手や保存が容易で手軽に摂れて、カロリーやコレステロールの制約がないため毎日でも食べられる便利な補給源がビタミンB群には乏しいので、一つの食品で一日分を確保できないことが多く、摂取量を通算して把握するのも大変です。

ビタミンB1、 B2、 B12をしっかりと、かつ、なるべく低カロリーで摂って、代謝やエネルギー生成を維持するための、おすすめ食品をご紹介します。

※各ビタミンの一日当たり推奨量は、2010年版食事摂取基準における、基準体位である18~49歳の女性の数値です。基準体位は国民栄養調査から算出された各年齢別の身長・体重の中央値で、18~29歳の女性が158.0cm・50.6kg、30~49歳の女性が158.0cm・53.0kgです。

ビタミンB1が豊富な食品 一日推奨量 1.1mg

ビタミンB1は糖質からのエネルギー生成に関わっていて、精白米を主食としている地域で不足しがちです。日本でもビタミンB1欠乏症である脚気(かっけ)が国民病と言われ、昭和初期には年間1万人から2万人が脚気で死亡していました。

現在、欠乏症が少ないのは、摂取エネルギーのたんぱく質・脂質から摂る割合が増えた事やインスタントラーメンなどの加工食品に添加されるようになった事など、様々な要因が考えられます。

B1の一日推奨量は1.1mgです。エネルギー当たりの数値なので摂取エネルギーが基準より多ければビタミンB1もより多く必要となります。基準となっているエネルギーは18~29歳の女性が1,950kcal、30~49歳の女性が2,000kcalです。

食品のビタミンB1 1.1mg相当量(一日推奨量あたりの量)
食品 可食部重量 エネルギー たんぱく質 コレステロール
豚ヒレ肉 112.2g  129.1kcal 25.6g
たらこ 154.9g  216.9kcal 37.2g  542mg
小麦胚芽 60.4g  257.5kcal  19.3g
豚ロース肉 159.4g  419.3kcal 30.8g
うなぎ蒲焼 146.6g  429.7kcal  33.7g  337mg

カロリーの低い順です。たんぱく質の豊富な食品が多いのでたんぱく質含有量も載せました。コレステロールは特に多いものだけ載せています。うなぎ蒲焼は小さめのもの一尾程度です。

料理一品で一日分を確保できそうなのはうなぎ蒲焼と豚肉くらいです。ダイエット中でなくとも毎日というわけにはいきませんね。うなぎ蒲焼とたらこはコレステロール量からも制約が生じます。

小麦胚芽はアミノ酸スコアが80と意外に高い上、脂質も多くないのでたんぱく質給源として利用価値が高く、ダイエットに活用できれば強力なのですが60.4gを食べるのは大変で、毎日続けられる人は稀でしょう。ビタミンB1を一つの食品で摂取するのは難しいです。

食品のビタミンB1 0.3mg相当量(一日推奨量の1/4あたり)
食品 可食部重量 エネルギー たんぱく質 コレステロール
まいたけ 120g 19.2kcal  4.4g 
えのきたけ 125g  27.5kcal  3.4g 
豚ヒレ肉  30.6g  35.2kcal  7.0g
たらこ 42.3g  59.2kcal  10.1g 148mg
小麦胚芽 16.5g  70.2kcal 5.3g
さやえんどう 200g  72.0kcal 6.2g
鶏レバー 78.9g  87.6kcal 14.9g 292mg
豚レバー 88.2g 112.9kcal  18.0g 221mg
豚ロース肉 43.5g  114.3kcal  8.4g
うなぎ蒲焼 40g  117.2kcal 9.2g 92mg
えんどう豆(茹で) 111.1g  164.4kcal  10.2g
枝豆(茹で)  125g  167.5kcal  14.4g 
ご飯(玄米) 187.5g 309.4kcal 5.3g

一括して摂るのが難しいので、4点摂れば一日分を充足する、ビタミンB1 0.3mg相当量です。枝豆は鞘付きの重量で250g、ご飯(玄米)は一膳半くらいです。上記の量でまいたけは食物繊維を3.2g、えのきたけは4.9g含んでいます。

ダイエット中は野菜などを油で炒めたくないものですが、さやえんどうなどは茹でるとビタミンB群が溶け出してしまいます。電子レンジを使うか、スープなどの汁も飲める料理にするとビタミンB群のロスが少なく済みます。

レバーはこの量でもコレステロールが多いです。豚肉を食べない場合、ビタミンB1の確保はけっこう大変です。きのこやえんどう豆などを沢山食べないと摂れません。この一覧だけで、ダイエット中はビタミンB1が不足しがちであることが想像できます。

ビタミンB2が豊富な食品 一日推奨量 1.2mg

ビタミンB2はたんぱく質・脂質・糖質の代謝や呼吸、赤血球の生成、抗体の生産などに関わっていて、欠乏は口内炎、皮膚炎、角膜炎、成長停止、早期老化などの原因になります。

一日推奨量は1.2mgです。ビタミンB1と同様にエネルギー当たりの数値なので、摂取エネルギーが基準より多ければビタミンB2もより多く必要となります。基準となっているエネルギーはビタミンB1と同じく18~29歳の女性が1,950kcal、30~49歳の女性が2,000kcalです。

食品のビタミンB2 1.2mg相当量(一日推奨量あたりの量)
食品 可食部重量 エネルギー たんぱく質 コレステロール
豚レバー  33.3g  42.7kcal 6.8g  83mg
牛レバー 40g  52.8kcal 7.8g  96mg
鶏レバー 66.7g  74.0kcal 12.6g  247mg
うなぎ蒲焼  162.2g  475.1kcal  37.3g  373mg 

 うなぎ蒲焼は標準的なサイズのもの一尾でビタミンB2一日分が摂れます。レバーなら簡単に摂れますが、レバーは全く食べない人もいますし、好きであっても毎日食べる人は稀でしょう。ビタミンB2を特に豊富に含む食品は、あまり日常的ではない上にコレステロールを多く含むものばかりです。ビタミンB2もビタミンB1と同様に、料理一品で摂るのは難しいです。

食品のビタミンB2 0.3mg相当量(一日の推奨量1/4あたり)
食品 可食部重量 エネルギー たんぱく質 コレステロール
まいたけ 61.2g  9.8kcal 2.3g
豚レバー 8.3g  10.7kcal  1.7g 21mg
牛レバー  10.0g  13.2kcal  2.0g  24mg
鶏レバー 16.7g  18.5kcal 3.2g  62mg
ほうれん草 150.0g  30.0kcal  3.3g
パセリ 125.0g  55.0kcal 4.6g
鶏ハツ 27.3g  56.5kcal  4.0g 44mg
しじみ 120g  61.2kcal 6.7g
スキムミルク 18.8g  67.3kcal  6.4g
魚肉ソーセージ 50g  80.5kcal  5.8g
たらこ  69.8g  97.7kcal  16.7g 244mg
鶏卵 69.8g 105.3kcal 8.6g  293mg
納豆 53.6g 107.1kcal  8.8g 
うなぎ蒲焼 40.5g  118.8kcal 9.3g  93mg
豚ヒレ肉 111.1g  127.8kcal 25.3g
牛乳 200.0g 134.0kcal 6.6g
いわし丸干し 73.1g 141.2kcal  24.0g
さば水煮缶  75.0g 142.5kcal  15.7g
アーモンド 27.0g  163.8kcal  5.2g
小麦胚芽 42.3g 180.0kcal 13.5g

一日推奨量の四分の一であれば選択肢が大幅に増えます。上記を4点摂れば一日分。スキムミルクは大さじ3杯くらい、牛乳は190.2ml、いわし丸干しは3尾くらい、アーモンドは23~27個程度です。

いろいろな食品に含まれていて無意識のうちに摂っているように見えますが、動物性食品に偏っています。また、野菜で摂るのは量が多くて大変そうです。ほうれん草は野菜の中では特に豊富にビタミンB2を含んでいますが、茹でてシュウ酸を出す一般的な下処理をすると、一緒に溶け出して失われてしまいます。

ビタミンB12が豊富な食品 一日推奨量 2.4μg

ビタミンB12はたんぱく質や核酸の合成、細胞の代謝などに関わっていて、欠乏するとヘモグロビンの合成に支障が出て悪性貧血の原因になるほか、神経障害を発症することもあります。一日推奨量は2.4μgです。

食品のビタミンB12 2.4μg相当量(一日推奨量あたりの量)
食品 可食部重量 エネルギー たんぱく質 コレステロール
あさり水煮缶 3.8g 4.3kcal 0.8g
鶏レバー  5.4g  6.0kcal  1.0g
牛レバー  4.5g  6.0kcal  0.9g
しじみ  3.8g  10.0kcal 0.2g
豚レバー  9.5g  12.2kcal  1.9g
イクラ  5.1g  13.8kcal 1.7g 24mg
いわし丸干し  8.2g  15.8kcal 2.7g
たらこ  13.3g 18.6kcal  3.2g  46mg
いか 36.9g  32.5kcal  6.7g  100mg
牛小腸 11.7g  33.6kcal  1.2g 25mg
あさり佃煮 16.6g 37.2kcal 3.4g
さば水煮缶  20g  38.0kcal  4.2g
プロセスチーズ 75.0g  254.3kcal  17.0g
うなぎ蒲焼  109.1g  319.6kcal  25.1g  251mg

ビタミンB12はごく少量で一日推奨量を摂れる食品がいくつかあります。5gとか10gだけ調理して食べるのは困難ですが、B12以外のビタミンBも豊富に含んでいる食品が多いので、B1やB2と一緒に摂れていることも多いと思われます。一見容易に摂取できるように見えますが、あまり日常的ではない食品が多いようです。

食品のビタミンB12 0.6μg相当量(一日推奨量の1/4あたり)
食品 可食部重量 エネルギー たんぱく質 コレステロール
いか 9.2g  8.1kcal  1.7g  25mg
ツナ缶(ノンオイル) 54.5g  38.7kcal  8.7g
まぐろ赤身 46.2g  57.7kcal  12.2g
プロセスチーズ  18.8g  63.6kcal  4.3g
鶏ハツ  35.3g  73.1kcal 5.1g 56mg
うなぎ蒲焼  27.3g  79.9kcal 6.3g  63mg
鶏卵  66.7g  100.7kcal  8.2g  280mg
スキムミルク  33.3g 119.7kcal  11.3g
牛乳 200.0g 134.0kcal 6.6g

一日推奨量の四分の一であれば日常的な食品からも摂れます。一日分相当量が30g未満のものはこちらのリストからは除外しました。いかは寿司一貫で摂れそうな量ですし、プロセスチーズも脂質の摂り過ぎを心配しなくともよい量になりました。スキムミルクは大さじ4杯少々です。

お気づきかと思いますが、全て動物性の食品です。野菜や果物のみならず、玄米や小麦胚芽にも含まれておりません。比較的少量の食品で確保できますが、確実にたんぱく質給源に組み込んでいかなくては推奨量を摂れません。

ビタミンB群の不足を防ぎ代謝とエネルギー生成を維持するために

いかがでしたか?ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12の一日推奨量摂取が意外に大変で、本当に不足しがちであることがご理解いただけたと思います。

食事を制限してカロリーを控えても、代謝が低下してしまっては消費カロリーが減って効果が上がりません。この目安量を活用してビタミンB群を確保し、代謝を維持してダイエットを成功させましょう。

参考資料

  1. 厚生労働省 日本人の食事摂取基準2010
    http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/s0529-4.html
  2. 文部科学省 日本食品標準成分表2010
    http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/houkoku/1298713.htm

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