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【ビタミンAが多い食材・食品】摂取・過剰・欠乏

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脂溶性ビタミンの一種であり、肉類など動物性食品に多く含まれる「ビタミンA」。そして、野菜などの植物性食品にもプロビタミンA(ビタミンAの原料)が含まれ、おなじみのβカロチンがビタミンAの供給源となります。ダイエット中は偏った食事になりがちですのでビタミンの不足や過剰摂取に注意しましょう。

それではビタミンAの働きや、ビタミンAの多い食材・食品を順にご紹介していきます。

【ビタミンAが多い食材・食品】摂取・過剰・欠乏

ビタミンAについて

ビタミンAは動物性食品に多く含まれる脂溶性ビタミンの仲間ですが、体内で造りだすことのできないビタミンです。不足しないように食事からの摂取を心がけなければなりません。また、食品から得たビタミンAは、各組織において貯蔵や他の物質との結合が行われ、視覚や成長促進、皮膚や粘膜の保持などに機能します。

ビタミンAの一つで、野菜から摂取されるβ-カロテンなどは体内からビタミンAが不足すると必要量だけビタミンAに変換させて、不足した分を補います。このように体内で変換するビタミンAを「プロビタミンA」と呼びます。
このプロビタミンAと呼ばれる栄養素は殆どがカロテノイドと呼ばれるもので、カロテンを始め、約50種類もあります。不要となりビタミンAに変換されなかった場合は蓄積、または排泄されるようになっています。

ビタミンAの摂取量/欠乏と過剰

ビタミンAの摂取推奨量(プロビタミンAを含む)は、成人男性(18~29歳)で850μg/日、女性(18~29歳)で650μg/日となっています。
欠乏すると、夜に目が利きにくくなる夜盲症や成長障害、免疫機能の低下などが起こり、乳幼児に至っては失明のリスクも高まります。ですが、肝臓に蓄えられているレチノール(ビタミンA)が20μg/g以上に保たれていれば夜盲症などのビタミンA欠乏症にはなりません。

このように欠乏症は大丈夫だとしても、過剰症は大丈夫でしょうか?
1日の耐容上限量である2,700μgを超えた過剰摂取は、頭痛を始め、急性毒性や慢性毒性などの症状を引き起こすことがあります。急性毒性では脳脊髄圧を上昇させ、慢性毒性では脱毛や皮膚の角質が落ちるなどの症状が起こります。
また、妊婦の過剰摂取も胎児に悪影響を及ぼすため、摂り過ぎは避けなければなりません。

ビタミンAが多い食材・食品

ビタミンAは動物性食品に多く含まれ、特に肝臓に豊富です。しかし、ビタミンAは不足だけでなく過剰摂取にも注意したい栄養素ですので、ビタミンAを多く含む食品をチェックして、不足していないか過剰になっていないか確認してみましょう。

ビタミンAが多い食品(レチノール当量μg/可食部100g

食品 含有量 食品 含有量
モロヘイヤ(茎葉、生) 840μg スモークレバー 17000μg
しそ(葉、生) 880μg やつめうなぎ(生) 8200μg
にんじん(根、冷凍) 810μg あゆ(養殖、内臓、焼き) 6000μg
とうがらし(果実、生) 640μg うなぎ(肝、生) 4400μg
パセリ(葉、生) 620μg レバーペースト 4300μg
バジル(葉、生) 520μg レバーソーセージ(豚肉) 2800μg
ほうれん草(葉、冷凍) 500μg ほたるいか(ゆで) 1900μg
よもぎ(葉、ゆで) 500μg ぎんだら(生) 1100μg
しゅんぎく(葉、ゆで) 440μg あなご(蒸し) 890μg
明日葉(茎葉、生orゆで) 440μg すじこ 670μg
なずな(葉、生) 430μg わかさぎ(つくだ煮) 460μg
大根(葉、ゆで) 370μg たたみいわし 410μg
にら(葉、ゆで) 370μg ぼら(からすみ) 350μg
糸みつば(葉、ゆで) 340μg かじか(つくだ煮) 370μg
西洋かぼちゃ(果実、生orゆで) 330μg イクラ 330μg
高菜漬け 300μg くろまぐろ(脂身、生) 270μg
小松菜(葉、生orゆで) 260μg 卵黄(生) 480μg
からしな(塩漬け) 250μg 無塩バター 790μg
ケール(葉、生) 240μg デニッシュペストリー 440μg
リーフレタス(葉、生) 200μg クリームコロッケ
(フライ用、冷凍)
240μg

※日本食品標準成分表2010より 

しそ(葉、生) 880μg

爽やかな香りを放つ香辛野菜であり、生しその実にも220μgものビタミンAが含まれています。
シソは料理のわきに飾られたり、刺身のツマなどに用いられてきた野菜です。赤じそ・青じそがあり、青じそは大葉ともよばれ、天ぷらなどにすると香りや味を一層楽しめます。最近ではシソを煮詰めて作るしそジュースを健康のために飲む人も増えて来ていますので、皆さんも試してみてはいかがでしょう?

人参(根、冷凍) 810μg

ニンジンはビタミンA含有量が高く、油に溶けやすい性質を持っています。そのため油を使った調理をすると、効率よくカロテンを吸収することができます。
ニンジンジュースやニンジンサラダ、グラッセやケーキなどにして食べられます。ニンジンは皮つきの状態かどうかや、生orゆでによってもビタミンAの含有量が少し変わってくるので、料理によって用い方を工夫すると良いでしょう。

人参のビタミンA含有量
(レチノール当量μg/可食部100g )
人参の状態 含有量
にんじん(根、皮つき、生) 760μg
にんじん(根、皮つき、ゆで) 740μg
にんじん(根、皮むき、生) 680μg
にんじん(根、皮むき、ゆで) 720μg

ほうれん草(葉、冷凍) 500μg

ほうれん草は、ビタミンAの他にも鉄などを含んだ貧血の強い味方であり、低カロリーのためダイエットにも役立ちます。
ソテーやグラタン、胡麻和えなどにして食べられることが多く、最近ではサラダとして食べるように生でも食べられるホウレンソウもあります。しかし、ほうれん草の中には灰汁が強い物もあるため、茹でたり、油で炒めて加熱調理などするとアクを取り除くことができます。

ホウレン草のビタミンA含有量
(レチノール当量μg/可食部100g )
ホウレン草の状態 含有量
ほうれん草(葉、生) 350μg
ほうれん草(葉、ゆで) 450μg

しゅんぎく(葉、ゆで) 440μg

独特な香りを持つ春菊は、鍋料理の脇役であり、冬の寒い時期にスーパーで見かけるようになります。
カロテンを含む春菊の生の葉にも380μgのビタミンAが含まれておりますが、茹でて調理した方がビタミンAが増加します。
しかし、春菊が鍋物に重宝するといっても、一度に使い切るのが難しい場合は、水で湿らせた新聞紙などに包み、ビニール袋にいれたら野菜室に立てて保存するようにしましょう。冷凍することもできますが、早めに使い切るのが一番です。

大根(葉、ゆで) 370μg

おでんやお味噌汁の具材として欠かせない大根は、胃液を分泌させたり、整腸作用などの働きを持ちます。消化をサポートする働きがあるため、ダイエット中にも取り入れたい食品です。カロリーも低く、ダイエットに大きな影響を与えることはないため、大根を使ったダイエット料理にも挑戦してみてください。
大根の葉は生で食べることもでき、生の大根葉に含まれるビタミンAは330μgとなっています。しかし、加熱調理した大根葉の方がビタミンA含有量が高くなるので、加熱調理をおススメします。

うなぎ(肝、生) 4.400μg

近年、ウナギの稚魚であるシラスが減少し、漁獲不漁のためウナギは高級魚となりつつあります。また、天然ウナギは希少であり、養殖技術が発展して以降は養殖ウナギを多く見かけるようにもなりました。
鰻は脂質・タンパク質が高く、栄養素に富んでいます。不足しやすい栄養素を補うためには丁度良いですが、栄養の摂り過ぎにも注意が必要です。

うなぎのビタミンA含有量
(レチノール当量μg/可食部100g )
うなぎの状態 含有量
うなぎ(養殖、生) 2400μg
うなぎ(白焼き) 1500μg
うなぎ(かば焼き) 1500μg

ほたるいか(ゆで) 1.900μg

ほたるいかは、ヤリイカやスルメイカに比べると銅の長さが短く、約6cm程度しかない小ぶりのイカです。3~6月頃になると富山湾で水揚げされ、刺身や酢味噌和え、炊き込みご飯などにして食べられます。
1杯のカロリー(内臓含む)が17kcalと低カロリーのため、ダイエットに大きく影響することはないものの、ビタミンAの摂取量に注意が必要です。

ほたるいかのビタミンA含有量
(レチノール当量μg/可食部100g )
ほたるいかの状態 含有量
ほたるいか(生) 1500μg
ほたるいか(くん製) 150μg
ほたるいか(つくだ煮) 690μg

かじか(つくだ煮) 370μg

かじかはビタミン・ミネラルを豊富に含み、カジカ汁や刺身などにして食べるのが美味しい魚です。体には鋭いヒレを持っており、捌く際には注意が必要です。寒い時期に獲れるカジカは身が締まっており、どのようにして食べても美味しいです。

かじかのビタミンA含有量
(レチノール当量μg/可食部100g )
かじかの状態 含有量
かじか(生) 180μg
かじか(水煮) 290μg

鮎(養殖、内臓、焼き) 6.000μg

日本全土の河川と海域に生息する鮎は、春から冬にかけて1年を通して成長します。産卵期を迎え、卵を産むと成魚の鮎の一生は終わります。生まれた稚魚は海へと流され、プランクトンをエサとしながら、また新しい一生を迎えます。
鮎の美味しい食べ方は、定番の塩焼きから、甘露煮や天ぷらなどです。鮎が美味しくても、内臓部分にはビタミンAが豊富なので食べすぎないようにしましょうね。

鮎のビタミンA含有量
(レチノール当量μg/可食部100g )
鮎の種類 含有量
あゆ(天然、生) 35μg
あゆ(天然、焼き) 120μg
あゆ(天然、内臓、生) 1700μg
あゆ(天然、内臓、焼き) 2000μg
あゆ(養殖、生) 55μg
あゆ(養殖、焼き) 480μg
あゆ(養殖、内臓、生) 4400μg

β-カロテンから効率よくビタミンAを摂取!

β-カロテンは、緑黄色野菜などに含まれているカロテノイドの一種であり、ビタミンAが足りない時にレチノール(ビタミンA)に変換されます。そのため、ビタミンA不足が心配な方は野菜を食べ、β-カロテンをしっかりと摂取することをおススメします。中には油を使って調理することでカロテンの吸収率がアップするものもあるので、野菜の栄養素を把握して調理すると良いでしょう。

動物性食品から摂取されるビタミンAはプロビタミンAと違い、不足した分だけを変換して補填するような働きにはなっておらず、食べた分だけビタミンAを摂取することになり蓄積されます。そのため過剰摂取にならないように注意しなければなりません。

参考資料

  1. 「健康食品」の安全性・有効性情報
    http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail51.html
    http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail171.html
  2. 食品安全委員会
    http://www.fsc.go.jp/sonota/factsheet-vitamin-a.pdf
    http://www.fsc.go.jp/sonota/maternity/maternity.pdf
  3. 農業産業振興機構
    http://lin.alic.go.jp/alic/month/dome/1994/jan/niku.htm
    http://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/yasai/1301/yasai1.html
    http://vegetable.alic.go.jp/panfu/radish/radish.htm
    http://vegetable.alic.go.jp/panfu/carrot/carrot.htm
    http://vegetable.alic.go.jp/panfu/spinach/spinach.htm
  4. 日本人の食事摂取基準
    http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/s0529-4.html
    http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4i.pdf
    http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4n.pdf
  5. 日本食品標準成分表2010
    http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/houkoku/1298713.htm
  6. その他資料
    http://jica-ri.jica.go.jp/IFIC_and_JBICI-Studies/jica-ri/publication/archives/jica/field/pdf/2003_05e.pdf
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jim/21/4/21_4_297/_pdf
    http://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1007/mf_news_03.html
    http://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1106/otakara.html
    http://www.maff.go.jp/j/pr/aff/0907/spe2_04.html
    http://www.mlit.go.jp/river/toukei_chousa/kankyo/ayu/isshou/ayu1.htm

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コメント 1 Comment

  1. 匿名 より:

    (⌒▽⌒)

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