納豆キナーゼとは、納豆のネバネバに含まれる分解酵素の一種。血栓の素となるタンパク質を溶かす力がある。
血栓は夜中~早朝にできやすいので、血栓症や血栓が原因の病気が心配される人には、夜6時~18時の納豆キナーゼ摂取がすすめられている。
納豆キナーゼには、血圧降下、血流改善、コレステロール低下の力もあるため、高血圧や血流不良を原因とするトラブル、脂質異常症に有効な可能性が高い。
さらには、血流がよくなると代謝が上がるので、ダイエット効果を得られるという意見もある。
タンパク質の分解酵素で、血栓症の予防に役立つ
納豆キナーゼとは、納豆の粘質部分つまりネバネバと糸を引くところに含まれている分解酵素の一種。
“ナットウキナーゼ”とカタカナで表記されることもある。
納豆キナーゼはタンパク質を分解する酵素であり、血栓の主成分フィブリンというタンパク質を溶かす力をもっているため、納豆を食べたりサプリメントを飲むなどして体に取り入れると、血栓症予防につなげることができる。
納豆キナーゼによる血栓の溶解は、以下のようにさまざまな形で行われる。
- 血栓の素であるフィブリンに直接的にアプローチして溶解する
- 血栓を溶かす酵素ウロキナーゼの前身プロウロキナーゼの働きを活発にする
- 血栓を溶かす酵素プラスミンを産生するプラスミノーゲン活性因子を増やす
- 血栓の溶解を邪魔するプラスミノーゲン活性化抑制因子を分解する>
血圧降下、血行促進、コレステロール減少の力もある
納豆キナーゼには血栓溶解のほか、血圧を降下させる力や、血行を促進する力もあることが確認されている。
血圧降下の力は高血圧症に、血行促進の力は肩コリなど血行不良を原因とするトラブルに、それぞれ有効性を期待できる。また納豆キナーゼとベニコウジを一緒に摂取する実験で、コレステロール減少の結果を得られていることから、コレステロール過多を原因とする脂質異常症に有効な可能性もある。
また血流が良くなると新陳代謝が向上するので、納豆キナーゼはダイエットに有効という意見もある。
納豆キナーゼは、夜6時~12時の摂取がおすすめ
血栓は、血液の濃度が高くなる夜中~早朝にできやすいという特徴がある。
よって、血栓や血栓がまねく心筋梗塞などの病気を効果的に防ぐには、夕食をとった後や就寝前などのタイミング(時間帯では夜6時~12時のあいだ)に、納豆キナーゼを摂るのがよいと言われている。
ちなみに、納豆には血液の凝固をうながす―─つまりは納豆キナーゼとは逆の働きをするビタミンKも多く含まれているので、確実な予防効果を得たい場合は、ビタミンKが除去された納豆キナーゼを摂取するのがベストとされている。