ガルシニアは、タイやインドに分布するオトギリソウ科の植物であり、ガルシニア・カンボジアの略称である。かぼちゃに似た実や実の皮は、タイやインドでは調味料やスパイスに用いられている。ガルシニアの実の皮には脂肪合成を妨げるヒドロキシクエン酸が含まれるため、ガルシニアの抽出エキスを摂取するとコレステロール値低下の効果を得ることができる。ただし悪心や頭痛・精巣毒性の副作用リスクがあるため、長期の大量摂取は避けるべきである。
ガルシニアは、タイやインドに生息しているオトギリソウ科の植物
ガルシニアとは、タイなど東南アジアやインドに生息するオトギリソウ科の植物であり、正式名称をガルシニア・カンボジアという。インドでは、インディアンデイトやゴラカ、タマリンドラバーとも呼ばれている。
ガルシニアは、かぼちゃに似た黄色い実をつける特徴がある。
生息地域のタイやインドでは、この実や皮を乾燥させてつくられる調味料を、カレーのスパイスや魚の塩漬けなどの用途で日常的に利用している。また実や皮にミカンやレモンなど柑橘類のような酸味があり、熟した実は生を果物として食すことができる。
HCAを含むガルシニアエキスに、コレステロール低下の効果あり
ガルシニアの実の皮から抽出されるガルシニアエキスには、コレステロール低下の効果がある。
コレステロール低下の効果は、ガルシニアの実の皮に豊富に含まれているヒドロキシクエン酸(HCA)の、脂肪合成を妨げる作用によるものである。
BMI値30以上の肥満に該当する者に、ガルシニアとコンニャクのエキスを3度の食事前に摂取させる試験では、12週間後に総コレステロール値低下と悪玉コレステロール値低下の成果が得られている。
この試験成果から、ガルシニアは生活習慣病対策やダイエットに有効活用できる可能性が高いと言える。
ダイエットの大きな妨げになるもの…それは堪えるのが難しい「食欲」。その食欲を上手に抑えるための方法を6つ紹介します。食欲を抑えてくれる上に、脂肪燃焼のプラス効果もあるガルシニアのサプリメント等々。
精巣毒性などの副作用リスクがあるため、長期の大量摂取はNG
まれにガルシニアの副作用として、吐き気・嘔吐・頭痛などの症状が表れ得るが、短期に適量を摂取するならば危険性は低い。なおガルシニアの安全な摂取継続期間は、12週までとされている。
ガルシニアエキスを長期に大量摂取すると、精細胞の委縮など精巣毒性の副作用が起こる危険性がある。
長期大量摂取がもたらす精巣毒性の危険性は、ラットを対象とした動物実験の結果から判断されるものだが、人も注意すべきである。
厚生労働省は副作用の危険回避のため、ガルシニア抽出物を含む健康食品の摂取目安量を、1人0.5g~1.5g/日と発表している。ちなみに先述のラット実験では、これのおよそ10倍にあたる量を摂取させている。