褐色脂肪細胞とは「脂肪細胞」の一つである。脂肪細胞には褐色脂肪細胞と白色脂肪細胞の2種類が存在している。褐色脂肪細胞は脂肪の燃焼を、白色脂肪細胞は蓄積を役割とし、逆の性質を持っている。
近年では、褐色脂肪細胞が肥満解消やダイエットに有効であるとして注目を集めている。
褐色脂肪細胞の働き
褐色脂肪細胞は、脂肪滴と呼ばれる多房性の脂肪の塊を含み、脂肪を燃焼させて熱を生み出す働きをしている細胞である。
褐色脂肪細胞によって熱の産生が活発になるのは、交感神経系が亢進されているときと考えられている。
交感神経系はエネルギーの代謝を助ける神経と言われ、亢進した状態になると脂肪を分解して熱を生み出す。また、体温を上昇させたり、過剰に摂り過ぎたカロリーを熱に変えて体外へ放散する働きをするのである。
しかし、褐色脂肪細胞の働きが低下すると、エネルギーの消費がスムーズに行われなくなる。すると消費されないエネルギーは体内に脂肪として留まり、肥満を引き起こす原因にもなる。
褐色脂肪細胞はどこにあるのか?
褐色脂肪細胞は体内でも限られた部位にしか存在せず、脂肪と呼ばれている部位のほとんどは白色脂肪細胞である。
褐色脂肪細胞が存在する部位は、肩甲骨周辺や首の後ろ、腋などの深部である。
しかし、その量は極わずかで、乳幼児期に一番多く存在しているとされるが、加齢とともに減少してしまう。成人になると乳幼児期の半分を下回るとも言われている。
このため、年をとると脂肪の燃焼率が低下して、太りやすい体質へと変化する人も多い。
褐色脂肪細胞の作用
褐色脂肪細胞は、白色脂肪細胞を取り込み、分解して熱に変換させるように働いている。この熱は体内を巡る血液を温め、全身に送って体温を上昇させる作用がある。
通常、体温が低下すると脳からの伝令により、体を振動させて上昇させようとする。だが、褐色脂肪細胞は振動させなくても熱を生み出すことが可能である。
さらに熱の産生効率が高まるとエネルギーの消費がスムーズに行われ、肥満の防止にも繋がる。
褐色脂肪細胞のダイエット効果
褐色脂肪細胞を刺激することで起こる脂肪燃焼作用が、ダイエット法やストレッチとして痩身効果が期待されている。
運動により刺激された褐色脂肪細胞は、脂肪燃焼だけでなく血液循環の改善などにも作用する。
血の巡りが良くなると固まっていた筋肉がほぐれ、 老廃物の排泄や冷え・凝りなどの予防にも役立つ。そのため、ダイエットの他に美容面も重要視されている。
肩を動かすだけのダイエット
肩甲骨付近を動かし、褐色脂肪細胞を刺激して脂肪の燃えやすい身体に変えていくダイエット法として肩甲骨ダイエットが有名である。
https://slism.jp/communication/7-exercises-of-the-scapula-diet.html
朝晩たった5分やるだけで痩せられると話題の肩甲骨ダイエット。ダイエットスリズムのスタッフがエクササイズを実践し、写真つきで解説している。
褐色脂肪細胞を活性化させるには
褐色脂肪細胞の働きを活発にし、エネルギーの消費を促すには、交感神経を有意にする食品が良いと言われている。
交感神経を活発にする食品には、辛み成分でダイエットにも注目されているカプサイシンなどが挙げられる。
カプサイシンは唐辛子の辛み成分として広く知られており、交感神経の活動を上昇させる。また、交感神経の働きが良くなったことで、褐色脂肪細胞のエネルギー消費量を高めることができると考えられている。
他にも、体の一部を冷やすことが褐色脂肪細胞の働きを高めるのに効果的とされる。
褐色脂肪細胞は冷感を感じるとエネルギーを消費し、産生した熱で体温を上げようとする。冷却する部位は手足などで十分とされ、この方法は自律神経系の働きを整えることにも繋がる。
詳しくはこちらで
https://slism.jp/communication/activate-brown-fat-cell.html
手を冷やすことで脳を勘違いさせて脂肪燃焼効果を得るダイエット方法。褐色脂肪細胞を活性化する効果的な方法を紹介している。