キシリトールとは、ガムやタブレットなどに用いられている、天然の甘味料である。
砂糖の主成分であるスクロースとほぼ同じ甘さをもちながら、カロリーはスクロースの60%程度である。
ローカロリー故にダイエットに利用されることが多く、摂取すると虫歯予防になるなどのメリットもあるが、大量摂取すると下痢を起こすこともあるため、摂取量には注意が必要である。
キシリトールがもつさまざまな効果
キシリトールのカロリーは、スクロースの約60%
キシリトールのカロリーは、スクロースの60%程度である。
また、キシリトールはスクロースよりも体内への吸収速度がゆるやかであるため、摂取しても血糖値が急激に上昇するようなことはない。
よって、スクロースを主成分とする食品を、キシリトールを主成分とする食品に置き換える等することで、カロリーコントロール(ダイエット)に役立てることができる。
摂取しても、糖尿病に悪影響が及ぶことはない
キシリトールの代謝にインスリンは不要であるため、摂取しても糖尿病に悪影響が及ぶことはない。
虫歯の原因にならない、摂取すると虫歯予防できる
キシリトールは甘味料だが、虫歯菌(ミュータンス菌)のエサにならないという特徴があるため、キシリトールを摂取しても虫歯の原因になることはない。
またキシリトールには、下記のような効果を持つことが実証されており、積極的に摂取することで虫歯予防につながる。
- 虫歯菌のエネルギーを消費させ、虫歯菌の増殖を防ぐ
- カルシウムと結びついて歯の再石灰化を助ける
- 他の糖アルコールと同じく、殺菌効果のある唾液の分泌を促す
50%以上含む食品を、食事後に摂取すると効果的
キシリトールを効果的に虫歯予防に役立てるには、キシリトールを50%以上含有している食品(ガムやタブレット)5~10gを、食事のあとに摂取する習慣をつけるのがよいとされている。
ただし、他の甘味料が含まれている食品は、逆に虫歯のリスクを高めてしまうので避けるべきである。
また虫歯菌のすみかとなるプラークは、キシリトールでは除去できないので、毎日の歯磨きも並行して行わなければならない。
下痢が生じることもあるので、大量摂取には注意
キシリトールは、厚生労働省や世界保健機構(WHO)などの機関に、その効果を認められている甘味料である。ただしメリットばかりで副作用等のデメリットが全くないというわけではなく、一気にたくさん摂取(30g以上)すると、下痢など腹部の不調が生じることがあるので、摂取量には注意しなければならない。
また妊婦や授乳中に大量に摂取することについては、十分な安全確認がとれていないので、特に避けるべきである。