卵黄や大豆に含まれるレシチンの効果は、肥満や病気予防・美肌など多彩!
レシチンは、卵の黄身や大豆に含まれている脂質類。ホスファチジルコリンやリン脂質とも呼ばれ、人の体においては細胞膜の主要な材料になっている物質。レシチンは、相反する性質の水と油とを混ぜ合わせる乳化作用をもつ。レシチンの乳化作用は、肥満や動脈硬化を防いだり肌を美しくしたりなど、私たちの体に多くの健康効果をもたらす。またレシチンには、脳や肝臓の健康を守る効果もあるので、脳の機能維持や肝臓疾患の予防に有効。
ホスファチジルコリンやリン脂質という別称もあるレシチンは、脂質に分類される物質。
レシチンが含まれている食品は、卵の黄身や大豆が代表的。卵の黄身から抽出されるレシチンは卵黄レシチン、大豆から抽出されるレシチンは大豆レシチンと呼ばれ、食品添加物(乳化剤)や医薬品・化粧品の成分など、さまざまな分野で利用されている。
人の体はおよそ60兆の細胞からできており、レシチンはそれらの生体膜(細胞膜)の主材料になる重要な物質。レシチンはあらゆる組織・臓器の細胞膜に存在しているが、特に生命の維持活動のためになくてはならない臓器の脳、血液、骨髄、心臓、肺、肝臓などに多く存在している。
レシチンは、リン酸、コリン、グリセリン、脂肪酸の4つの物質からできている。
リン酸とコリンは水になじむ親水性の性質をもち、グリセリンと脂肪酸は油になじむ親油性の性質をもっている。
親水性の成分と親油性の成分から成るレシチンは、本来は混じり合わない水と油とを混合してエマルジョンにする乳化の働きをする。レシチンの乳化の働きは、体に以下のような健康効果をもたらす。
血中コレステロール値が高いと、動脈硬化のリスクも高くなってしまいます。一価不飽和脂肪酸、大豆レシチン、水溶性食物繊維など、コレステロール低下の力をもつ栄養素が含まれる食品を意識的に摂って、血管の健康を守りましょう。
レシチンの構成成分の1つコリンは、アセチルコリンの材料になる。
アセチルコリンとは、脳の神経間の情報伝達を行っている物質のこと。アセチルコリンの材料になるコリン(レシチン)が十分にあると、記憶力や認識力など脳の学習機能が維持される。またコリンを摂ると、認知症やアルツハイマーなど脳の機能低下を原因とする病気に罹りにくくなるという報告もある。
レシチンはほかにも、肝臓の脂質代謝を支えたり肝臓の善玉コレステロールを増やしたりして、脂肪肝や肝硬変などの疾患から肝臓を守る働きもしている。