スリズム ダイエットコラム
ダイエットコラム

コレステロールを高める食品5種類と栄養素/摂取目安量

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

食品の中にはコレステロールを下げる良い食品もあれば、コレステロールを高めてしまう食品もあります。
コレステロール値が高まると、動脈硬化や生活習慣病などを引き起こすリスクを高めることになってしまいます。コレステロールが高めの方は、コレステロールを多く含む食品や高めてしまう食品はほどほどに摂取するのが良いでしょう。いわばコレステロールのダイエットですね。

普段の食生活で気を付けてほしい、コレステロールのことやコレステロールを高める食品を順を追ってご紹介します。

コレステロールを高める食品5種類と栄養素/摂取目安量

「コレステロールが高い」とは?

コレステロールが高いってどういう状態なのかご存知ですか?初めはコレステロールについて簡単にご紹介します。

コレステロールには善玉と呼ばれるHDLコレステロールと、悪玉と呼ばれるLDLコレステロールがあります。善玉コレステロールは、血液中に流れている余分なコレステロールを回収する働きがあり、悪玉コレステロールはコレステロールを血液へ送り出して、過剰な場合にはコレステロールを血管壁などに付着させてしまいます。
このように過剰にあると悪い影響をもたらすのは悪玉コレステロールであり、「コレステロールが高い」とは血液中のコレステロール量が多い場合だけでなく、悪玉コレステロール値が高い状態も表します。

どこからが高い? コレステロールの診断基準

コレステロールが高いといっても、実際どこからが高いのかなんて分かりませんよね。次は、コレステロールが高いと判断される診断基準の目安について紹介します。

血液の中には、脂質(中性脂肪、コレステロール、リン脂質など)が含まれていて、これらは身体を構成する成分の一部となっています。そこで、血中コレステロールや中性脂肪、LDLコレステロール値がある一定の数値を超えたり、HDLコレステロール量が条件を満たさない場合には脂質異常症(以前までは高脂血症)と呼ばれる病気となります。
一般的に「コレステロールが高い」と言われるのはこの脂質異常症の診断基準が使われます。

脂質異常症の診断基準と数値目安(空腹時の血液検査による数値目安)
脂質異常症の名称
診断に用いる栄養素
数値目安
高コレステロール血症 総コレステロール値(TC) 220mg/dl以上
高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール値(LDL-C) 140mg/dl以上
低HDLコレステロール血症 HDLコレステロール(HDL-C) 40mg/dl未満
高トリグリセリド血症 トリグリセリド値(中性脂肪値:TG) 150mg/dl以上

日本動脈硬化学会高脂血症診療ガイドライン2007より 

コレステロールを高めてしまう栄養素

コレステロールが高くなってしまう原因はいろいろありますが、「コレステロールをたくさん摂取する」以外に「コレステロールを増加させてしまう栄養素を摂りすぎてしまっている」ことも関係しています。コレステロールを高めてしまう栄養素として以下の二つが知られています。

飽和脂肪酸

飽和脂肪酸とは不飽和結合のない脂肪酸のことで、肉類や乳製品、ヤシ油などの熱帯植物油などに多く含まれています。体に必要なエネルギーとなる栄養素ではありますが、飽和脂肪酸が豊富な高脂肪食を過剰に摂取しすぎると、悪玉コレステロールが増加することが分かっています。冠動脈に関係する病気を発症するリスクを高めることも示されています。

飽和脂肪酸のさらに詳しい解説

トランス脂肪酸

トランス脂肪酸とは、二重結合を持つ不飽和脂肪酸に水素添加を行ったときにできる副産物です。主に、マーガリンや植物性クリーム、パン、お菓子類、ショートニングなどに少量含まれています。
トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増加させ、血液中の善玉コレステロールを低下させる働きがあることが分かっています。また、飽和脂肪酸よりも動脈硬化の原因となる物質に変化することも認められています。

トランス脂肪酸の詳しい解説はこちら

以下に、コレステロールを高めてしまう「過剰摂取が望ましくない栄養素」の1日の摂取目標量をまとめました。

1日の摂取目標量(成人)
栄養素
男性
女性
飽和脂肪酸 1日の摂取カロリーの
4.5%以上~7.0%未満
1日の摂取カロリーの
4.5%以上~7.0%未満
トランス脂肪酸 摂取カロリーの1%未満
(およそ2g未満)
摂取カロリーの1%未満
(およそ2g未満)
コレステロール 750mg未満 600mg未満

飽和脂肪酸・コレステロール 「日本人の食事摂取基準2010」より 
トランス脂肪酸 「FAO/WHO合同専門家会合の勧告値」より 

コレステロールが多い食品・高めてしまう食品

コレステロール値を増加させてしまう食品の過剰摂取や、悪玉コレステロール値の増加は病気を引き起こす可能性が高まります。
そこで、気を付けておきたいコレステロールが高い食品・高めてしまう食品をご紹介していきます。

肉類

肉類は脂質(飽和脂肪酸)やトランス脂肪酸の含有量が高く、コレステロール値が高い人やダイエット中の人にはあまりおススメできません。
50gの鶏卵には210mg、40gの鶏レバーには148mgのコレステロールが含まれています。トランス脂肪酸は和牛のサーロイン肩バラなどに多く、特に牛ハラミは100gあたり1.2~1.5gにもなるトランス脂肪酸が含まれているため、健康のためにも注意が必要です。

乳製品

牛乳・チーズ・生クリームなどでお馴染みの乳製品ですが、こちらもコレステロールやトランス脂肪酸の含有量が高く、コレステロール高めの方は摂り過ぎに注意が必要な食品です。
生クリームは12g(大さじ1杯)あたり14mgのコレステロールが含まれていますので、スーパーなどで売られている200ml入り生クリームでは、224mgのコレステロールが含まれていることになります。
乳製品の中でもトランス脂肪酸を多く含んでいるのはクリーム類で、コンパウンドクリーム100gあたりに12g、コーヒークリーム100gあたりは3.4gになります。

油脂類

油脂類にはバターマーガリンショートニングなどがあります。
バターのコレステロールは13g(大さじ1杯)に27mgも含まれており、市販で販売されている200g入りのバターには約405mgのコレステロールが含まれていることになります。
トランス脂肪酸の含油量も高く、100gあたりバターで2.2g、マーガリンで13g、ショートニングで31gになるものもあります。
しかし、注意すべきはコレステロール含有量やトランス脂肪酸だけではありません。油脂類は非常にカロリーが高いため、健康維持やダイエットをしている人は摂取する量に要注意です。

お菓子類

お菓子類にはケーキ類やクッキー、スナックなどがふくまれますが、どれもコレステロールが高い食品です。ショートケーキやシュークリームはたった1個だけでも150mgのコレステロールを含みます。トランス脂肪酸が多いのはパイ型のお菓子で、100gあたり7.3gにもなります。
チョコレートはトランス脂肪酸量が100gあたり0~0.71gと低いのですが、飽和脂肪酸を多く含み高カロリーな食品ですので摂り過ぎには注意が必要です。

穀類

穀類と言えば、コレステロールを下げる水溶性食物繊維を含んだ大麦などがあり、コレステロールを含んでいるものは少ないです。しかし、パンや麺類ではトランス脂肪酸を含んでいるものもあり、クロワッサンはトランス脂肪酸含有量も高く、100gあたり3.0gあります。穀類は食物繊維が豊富だからと油断せず、コレステロールを高める食品の摂取には気をつけましょう。

コレステロールとともに病気のリスクも上がる!下げることが大事

悪玉コレステロールが高い、または善玉コレステロールが低いなどの脂質異常症を発症している人は、成人している日本人の20%にもなるそうです。
これらの脂質レベルを下げるには、運動による改善方法などが挙げられています。ですが、たった一度運動したくらいでは血中レベルが下がることはなく、継続した有酸素運動が改善に有効とされています。

また、コレステロールの高い食品が分かったところで、これらの食材を食べなければ健康に良い、ということにはなりません。上記の食品に気を付けるだけで脂質異常症にならないということではなく、食べ過ぎ、糖分・脂肪分の過剰摂取、運動不足なども原因になります。砂糖などが多く含まれるアイスクリームやドーナツなどの食材にももちろん気をつけなければなりませんね。

そしてコレステロールが高い人に大事なのは、コレステロールを下げるということ!
コレステロールを高める食品をなるべく控えつつ、コレステロールを下げる食品を積極的に摂りましょう。「コレステロールを下げるダイエット」を行うのです。

おすすめの関連記事

コレステロールを下げる栄養素と7つの食品

参考資料

  1. 脂質異常症の食事について
    http://www.kouritu.go.jp/hospital/hokuriku/shinryobumon/eiyokanrika/shishituijosho/index.html
  2. 日本動脈硬化学会「動脈硬化の病気を防ぐガイドブック」
    http://jas.umin.ac.jp/guide/kiken/index.html 脂質異常症の診断基準
  3. 国立循環器病情報サービス 動脈硬化
    http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/disease/atherosclerosis.html
  4. 厚生労働省 脂質異常症を防ぐ食事
    http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/kousi/meal.html
  5. 循環器病研究振興財団 知っておきたい循環器病あれこれ
    http://www.jcvrf.jp/general/pdf_arekore/arekore_085.pdf
  6. 農林水産省 トランス脂肪酸に関する情報
    http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/
  7. 脂質の構造と物性-食品物理学の立場から 佐藤清隆
    http://www.hiroshima-u.ac.jp/upload/61/kankobutsu/kiyou2009/77.pdf
  8. 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2010年版)
    http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/s0529-4.html
    http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4g.pdf 脂質
  9. 農業・食品産業技術総合研究機構 トランス脂肪酸Q&A
    http://www.naro.affrc.go.jp/org/nfri/yakudachi/transwg/q_and_a.html
  10. 厚生労働省 e-ヘルスネット 脂質異常を改善するための運動
    http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-05-003.html

■ 食品の総カロリーや栄養成分を瞬時に計算できる「カロリーSlism」がオープンしました!

カロリー計算&栄養成分サイト「カロリーSlism」-ダイエットのサポートにお役立てください
[
]

コメント

カロリーSlism「食べた物の栄養とカロリーが瞬時に分かるカロリー計算機」 カテゴリー
カテゴリー内記事一覧
ダイエットコラム
人気記事ランキング コメント 携帯電話・スマートフォン対応

スリズム(slism) - QRコード

HOME RSS 2.0 - すべての記事