中性脂肪を減少させる働きがあるエイコサペンタエン酸(EPA)
EPA(EicosaPentaenoic Acid: エイコサペンタエン酸)とは、IPA(IcosaPentaenoic Acid: イコサペンタエン酸)とも呼ばれる不飽和脂肪酸の一つ。食品ではイワシなどの青魚の脂肪に多く含まれている。
EPAは不飽和脂肪酸の中でも体内で合成できないn-3系脂肪酸(ω3系脂肪酸)に分類され、必須脂肪酸の一種である。
EPAを効果的に摂取できるサプリメントも多くあり、同じ不飽和脂肪酸で必須脂肪酸の仲間であるDHA(ドコサヘキサエン酸)とともに配合されているものが多い。
EPAが豊富な魚やアザラシを多食するイヌイットには梗塞が少ないことが知られており、EPAは脳梗塞、心筋梗塞の予防物質として用いられる。
EPAには中性脂肪やコレステロールを減少させる働きがあり、ダイエットだけでなく生活習慣病の予防にも活用されている。
また、ホルモンバランスを整える効果もあり、美容効果・生理痛改善効果も期待できる。
DHAとの大きな違いは脳への働きであり、DHAは脳内にもっとも豊富に存在する長鎖不飽和脂肪酸であるが、EPAは脳内にほとんど存在しないため、脳を活性化する効果は得られないとされている。
DHAと同様に、中性脂肪を低下させる働きが特定保健用食品の審査で認められている。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2010年版」では、必須脂肪酸の一種であるn-3系脂肪酸の摂取すべき目標量が設定されている。
EPAはα-リノレン酸を原料として体内で生産することもできるが、α-リノレン酸からEPAやDHAに変換される割合は10-15%程度と少ない。
日本人の食事摂取基準2010年版の必須脂肪酸の目標量を確認できる。n-3系脂肪酸には、食用調理油由来のα‒リノレン酸と魚介類由来のEPA、DHA、DPA(ドコサペンタエン酸)などがある。
なお、18 歳以上の日本人ではn‒3系脂肪酸の必要量のうち、EPAとDHAを合計で1g/日以上摂取すること(魚で約 90 g/日以上)が望ましいとされている。
EPAを多く含む食品は以下のような魚介類である。EPAを多く含む食品はDHAも多く含む傾向がある。
食品名
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食品100gあたりの含有量
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1食あたりの含有量
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すじこ |
2.1 g
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6.3 g(1腹300g)
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しめさば |
1.6 g
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1.8 g(1パック110g)
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さばの味噌煮 |
1.1 g
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2.2 g(1缶200g)
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まぐろ(トロ) |
1.4 g
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2.8 g(切り身200g)
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イワシ |
1.2 g
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960 mg(1尾80g)
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