柑橘類に多いクエン酸
運動後のレモンスライスやハチミツ漬けには疲労を溜めない効果がある
クエン酸とは、ヒドロキシ酸の一種であり、レモンやみかんなどの柑橘類や梅干し、酢などの酸味の強い食品に多く含まれている。
ダイエット効果や疲労回復効果が期待できるため、クエン酸を多く含むサプリメントやクエン酸を強化したドリンクなどが多く販売されている。
クエン酸の効果
クエン酸には、脂肪や糖質をエネルギーに変えるクエン酸回路を活性化する働きがあり、脂肪や糖質を燃焼し、効率良くエネルギーに変換するためにクエン酸は不可欠な栄養素である。
そのため、クエン酸を多く含む食品はダイエットに活用されている。
クエン酸には、キレート作用という体の中のミネラルの酸化を防いだり、ミネラルの吸収をサポートする働きがある。キレートとは、ギリシャ語で「カニのはさみ」という意味であるが、吸収されにくいカルシウムなどのミネラルをクエン酸が包み込んで結合するため、吸収が高まる。
また、クエン酸には人間の尿を弱アルカリ性にする効果や、血液内の脂質を減らすことから血液循環を促進する効果、腎臓機能の働きを助けることによる利尿作用、免疫力を高める効果、高血圧・頭痛などの改善、アルコールの分解が早まることから二日酔いの予防・解消、疲労回復、など多くの効果が期待できる。
クエン酸回路とは、食べ物に含まれる糖質(炭水化物)や脂質(脂肪)を燃焼させ、エネルギーを生成する体の機能。
クエン酸を摂取することで活性化され、疲労物質とされる乳酸を生成するが、正常にクエン酸回路が働いていれば、乳酸さえもエネルギーの原料として再利用する。
クエン酸の摂取量目安
1日の目安量としては2g以上とされており、日常的に運動している人の場合は、5g程度必要ともされている。
多量摂取による大きな副作用などは確認されていないが、ヒドロキシ酸により一時的に下痢や嘔吐などの可能性がある。
標準的な「みかん」1個に含まれるクエン酸の量は1g程度。
クエン酸の効果的な飲み方
サプリメントなどで摂取する際には、1度に1日分を摂取するのではなく、食事毎に少量ずつ摂ることで食べ物に含まれる脂肪の燃焼効率を高めることができる。
また、運動後に飲むことで疲労物質である乳酸を、分解・再利用することから、運動による疲れを体に溜めにくくすることができる。
掃除に使えるクエン酸
クエン酸は水に溶かすことで弱酸性(クエン酸水溶液2%でph2程度)となるので、水垢や水道水のカルキ、石鹸カス、魚、尿などのアルカリ性の汚れを中和して落とすことができ、アンモニア臭などの臭いも取ることができる。
ポットや加湿器、食器洗い機の洗浄、シンク周りや、魚焼きグリル、お風呂やトイレの掃除に使うことができる。
酢も酸性なのでクエン酸と同様の使い方ができる。
※食用と掃除用のクエン酸が販売されているので、トイレやお風呂などは掃除用と使い分けるか、食用のクエン酸に統一して使うようにする。
クエン酸と重曹
重曹の水溶液はアルカリ性を示すので、油汚れを落とすのに効果的で、ガスレンジ周の油や、汗や皮脂などの洗濯物の脂、排水口のヌメリなどを落とす効果がある。
クエン酸と重曹を単品で、または組み合わせて使うことで、天然の洗剤として安全に利用することができ、また炭酸を発生させることから手作り入浴剤にも使用される。
重曹、クエン酸は共に薬局やスーパーでも手軽に入手することができる。