ダイエットで重要なのは、筋力アップによる基礎代謝の向上と食事、すなわち栄養素とエネルギー源の摂り方である。運動と食事をバランス良くこなしていけば、脂肪を筋肉に換え、基礎代謝を上げることができ、基礎代謝が上がることによって、エネルギー消費量が増え、効率的に、かつバランスよくダイエットできる。しかし、基礎代謝を低下させるほどの極端なダイエットや食事制限によって、独特の体臭や口臭を生じることが…。いわゆるダイエット臭である。
ダイエット臭とは
ダイエット臭とは、極端な食事制限やダイエットが招くエネルギー不足により生じる「汗臭さ」や「甘酸っぱい」体臭、または口臭を指す。
ダイエット臭は、エネルギー不足となった身体からエネルギーを産生しようとすることにより生じる。
食事摂取量が減ると、エネルギーを極力消費しないよう、身体が「停滞期」と呼ばれる状態に入る。停滞期に入ると基礎代謝が低下し、痩せにくい体質へと身体が変化するが、危険信号を感知した脳が体内にケトン体を放出し、それが体臭や口臭の原因となる。
ケトン体は肝臓で産生される物質で、アセトン・アセトン酢酸・β-ヒドロキシ酪酸の総称。
脳に必要となる糖分を体内で変換できないとき生成され、非常用のエネルギー源として用いられる。
ケトン体中に含まれるアセトンは糖尿病などで感じるニオイと同じものであり、血液中に増加すると口臭として放出される。また、エネルギー摂取不足や飢餓状態の持続などにより、空腹感が唾液の分泌を低下させてしまい、結果としてさらに口臭を強めることとなる。
ダイエット臭が生じる理由
ダイエット臭が生じる原因は、急激なダイエットや極端な食生活により特定の栄養素が不足すること、さらにTCA回路が上手く機能しないことにある。TCA回路とは、クエン酸回路とも呼び、代謝に関わる回路であり、本来、TCA回路が正常に機能し、脂肪を正常に燃焼していれば体臭を放つことはない。
ダイエット臭が発生したということは、身体に危険信号が灯ったということである。体臭や口臭がはっきり認識できるほどの症状を放置したままダイエットを続けていると、身体的不調が現れ、やがて自律神経系やホルモンバランスなどを崩すことに。炭水化物などの主食を抜く糖質制限などには十分な注意が必要である。
ダイエット臭を改善するには
ダイエット臭を改善するには、まず、極端すぎる食事ダイエットなどを止めることが重要。
過度の食事ダイエットは基礎代謝を低下させ、筋力低下をもたらす。発汗力も衰えるため、さらにダイエット臭が生じることとなる。
ダイエット臭を改善するには、汗をかきやすく、基礎代謝の良い身体に作り変えていく必要があるが、それには軽い有酸素運動──ウォーキング、ジョギング、水泳などが有効とされている。
有酸素運動は自分のペースで運動を行うことも容易であり、継続的に基礎代謝をアップさせることが可能だ。
さらに無酸素運動を組み合わせ、筋力アップを図ることで効率良く脂肪の燃焼が行えるようになり、ダイエット臭の改善が一層期待できる。
マイペースで行える有酸素運動のまとめ
基礎代謝や筋力を向上させるために有効な有酸素運動をリストアップ。また、無酸素運動を加えると、さらに健康的なダイエットが可能。