ビール酵母は、ビールの原料をアルコール発酵させる微生物のことである。ビタミンB群やミネラル類をはじめ、タンパク質や食物繊維などの栄養素を多く含んでいる。ビール酵母の食物繊維は、便秘解消の効果があるため、トクホの有効成分に認められている。商品には、小岩井乳業の『低脂肪のむヨーグルト』やアサヒの『スーパービール酵母Z』などが挙げられる。
ビールの原料をアルコール発酵させる微生物である
ビール酵母とは、麦汁などビールの原料を、糖分解によりアルコール発酵させる微生物のことである。
発酵に使用されるビタミンB群やミネラル類のほか、タンパク質、グリコーゲン、脂肪、食物繊維などの栄養素を豊富に含んでいる特徴がある。
よってビール産生のほか、サプリメントなどビタミン剤の原料に使われることもしばしばある。
お腹の調子を良くし、便秘や下痢を解消する効果あり
ビール酵母から得られる食物繊維は、特定保健用食品(トクホ)の有効成分に認められている。
便秘解消など、お腹の調子を良好にする効果があるためである。便秘解消の効果を得られる理由は、摂取することで腸内の善玉菌が増えて腸のぜん動運動が活発になるためである。
特定保健用食品(トクホ)には、小岩井乳業が販売する『低脂肪のむヨーグルト(ビール酵母の食物繊維入り)』がある。トクホ商品ではないが、アサヒが販売するサプリメント『スーパービール酵母Z』も、便秘に効果的であるとして消費者人気が高い。
お通じ改善などの効果を得ることのできる、ビール酵母ダイエットのやり方です。ビール酵母入りヨーグルトを作る方法や食べるタイミング、苦味のあるビール酵母を食べやすくする方法などを紹介。食物繊維のチカラで空腹感を感じにくいので、食欲セーブが難しい人に特におすすめ!
再発性大腸炎の治療に応用できる可能性がある
便秘気味の成人女性40人に、ビール酵母入りのヨーグルトを1日200ml×1週間食べさせる実験では、便の排回数および便の排出量が増えたというアンケート結果が得られている。
また細菌感染による再発性大腸炎を治癒させる目的で、抗生物質のバンコマイシンとビール酵母を投与したところ、症状の再発がおさまったという報告があがっている。ビール酵母の大腸炎への有効性は研究段階であるが、治療に応用できる可能性は高いと言えるだろう。
短期的に適量を摂取するのであれば、安全である
ビール酵母を含む飲食物を、短期的に適量摂取するのであれば、副作用など健康を害する心配はない。
小岩井の『低脂肪のむヨーグルト』では、1日1本200mlを摂取目安量としている(ビール酵母由来の食物繊維の含有量は200ml中6gである)。「お腹の張りが生じることもあるが一過性である」との注意表記もある。
ただし過敏体質の者は、胃の不快感、偏頭痛、かゆみ、じんましん、発疹などのアレルギー反応が表れる場合があるので、注意が必要である。