水に溶けにくい性質をもつ食物繊維を不溶性食物繊維という。
            不溶性食物繊維にはスポンジのように多くの穴が開いており、水分を多く取り込むことができる。水分を取り込んだ不溶性食物繊維は膨らんで腸を刺激するので、便秘解消などお通じが良くなる。便通解消の他にも、痔の予防、コレステロール減少、デトックス効果、大腸がんの予防、食欲抑制など、健康向上やダイエットにつながる多くの効果をもっている。 
 水に溶けにくい性質をもった食物繊維のこと
 食物繊維には、水に溶けやすい性質をもつ食物繊維と、水に溶けにくい性質をもつ食物繊維の2種類がある。 
            このうちで水に溶けにくい性質をもつ食物繊維のことを、不溶性食物繊維という。
            不溶性食物繊維には、セルロース、ヘミセルロース、キチン・キトサンなど多くの種類があり、これらは穀類、豆類、野菜類、エビやカニの甲殻などの食品に多く含まれている。
~不溶性食物繊維を多く含んでいる食品~
| 穀類 | 豆類 | 野菜類 | 
| とうもろこし玄穀 コーンミール
 アマランサス
 オートミール
 | 8.4g 7.4g
 6.3g
 6.2g
 | いんげん豆(茹で) ひよこ豆(茹で)
 おから
 あずき(茹で)
 しその実
 中国栗
 茹でえんどう豆
 紅花いんげん豆
 | 11.8g 11.1g
 11.1g
 11.0g
 8.1g
 7.5g
 7.2g
 6.9g
 | 唐辛子 かんぴょう(乾燥)
 切り干し大根(乾燥)
 しそ
 パセリ
 グリーンピース
 | 41.0g 23.3g
 17.1g
 8.1g
 6.5g
 6.2g
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※それぞれ100g中に含まれる不溶性	食物繊維の量を掲載。
 
 腸の蠕動運動を盛んにし、便秘解消など便通を良くする
 顕微鏡を介して不溶性食物繊維を見ると、長い糸状のものに、スポンジのようにたくさん穴が開いた姿をしている。不溶性食物繊維は水に溶けないため、この穴に多くの水分を取り込むことができる。不溶性食物繊維は水分を取り込むと、胃腸のなかで大きく膨張する。
 膨張した不溶性食物繊維は、腸に刺激を与えて腸の蠕動運動を盛んにするので、便秘が解消されるなど便通が良くなる。また不溶性食物繊維が大腸で分解されると、ビフィズス菌が増殖して腸内環境が整うので、やはり便通改善につながる。
不溶性食物繊維は水を吸収して膨らむ性質があり、便の腸通過をスムーズにしてくれます。また不溶性食物繊維を含む食品は噛み応えのあるものが多いので、自然に咀嚼回数が多くなって過食を防ぐことができます。
              
 
            
 
食物繊維には、小腸での栄養吸収を抑える水溶性食物繊維と、腸の運動を活発にして便秘を改善する不溶性食物繊維の2種類がある。働きは異なるが、どちらも健康向上やダイエットに役立つ効果ばかりなので、ダイエッターには必須の物質です!
              
 
            
 
コレステロール減少や食欲抑制などダイエットに役立つ効果を多くもつ
 不溶性食物繊維は、便通を改善する他にも、以下のような効果をもつと言われている。
- セルロース……便秘を防ぐ、便秘を解消する
-  ヘミセルロース……痔を防ぐ
-  キチン・キトサン……コレステロールの減少
-  クチン……デトックス効果
-  リグニン……大腸がんの予防
-  イヌリン……食欲を抑える
 効果に注目してみると、便秘解消をはじめコレステロール減少や食欲抑制など、いわゆるダイエットに役立つ効果が多いことがわかる。
            また不溶性食物繊維を含む食品は噛み応えがあり多くの咀嚼を必要とするものが多いので、便秘、早食い、過食習慣などダイエットの妨げになる要素を抱えている人は、不溶性食物繊維をたくさん含んでいる食品を積極的に活用するとよい。