内臓脂肪型肥満は、内臓に脂肪が過剰にたまっている状態のこと。
リンゴのように上半身が太る特徴からリンゴ型肥満、また男性に多いことから男性型肥満と呼ばれることもある。
内臓脂肪型肥満かどうかは、お腹まわりの数値測定やCTスキャンなどの方法で判断することができる。内臓脂肪型肥満は、糖尿病など生活習慣病の大きなリスクファクターであるため、運動習慣や食生活の見直しといった努力で、改善することが望ましい。
内臓に脂肪が過剰にたまるタイプの肥満のこと
肥満には大きく分けて2種あるが、そのうちで内臓(腹腔内の腸間膜など)に脂肪が過剰にたまるタイプの肥満のことを内臓脂肪型肥満という。内臓脂肪型肥満は別名をリンゴ型肥満というが、これは下半身と比べて上半身、特におなか周辺が太くなった体型の様が、果物のリンゴを連想させることに由来する。また女性より男性がこの肥満になりやすい特徴があるため、男性型肥満と呼ばれることもある。
BMI25未満でも、内臓肥満型肥満の可能性はある
肥満度をチェックするための指標にBMI値があり、この数値が25未満であれば肥満には該当しない。
しかし内臓脂肪型肥満の場合は、これに当てはまらない。たとえ25未満であっても、内臓に過剰な脂肪がたまっていることはよくあるため。このような状態にあることを、俗的に『隠れ肥満』という。
内臓脂肪型肥満は、一見して肥満であることが分からないという特徴が。内臓にたくさん脂肪がつくとメタボや生活習慣病のリスクがぐんと上昇してしまいますから、原因や解消法など、内臓脂肪型肥満について詳しくなっておきましょう。
近年再ブーム到来のえのき氷には、中性脂肪を分解する酵素の働きを活発にすることにより、内臓脂肪をおとしてくれるという素晴らしい効果が。そんなえのき氷の作り方を、画像入りで分かりやすく教えます。
内臓脂肪は、女性より男性がつきやすい脂肪。間食が多くて近ごろ出っ腹になってきたな…と感じる男性は、内臓脂肪蓄積の可能性大、生活習慣病のリスクアップですから、早目に内臓脂肪対策を立てておきましょう。
お腹まわりの測定や、CTスキャンで判断できる
内臓脂肪型肥満に該当するか否かは、次の2つの方法で判断できる。
まず家庭でセルフチェックできる簡易的なものとして、お腹まわりにメジャーを巻き付けて数値を測定する方法がある。測定結果が、男性で85cmを超えていた場合、女性で90cmを超えていた場合は、内臓脂肪が過剰にたまっている内臓脂肪型肥満と言える。
病院などの医療機関で行われているCT撮影(CTスキャン)検査を受けると、より正確に判断することができる。
CTスキャン検査は、「おへその部位を撮影し、その断層画像を診る」という形で行われる。検査結果が内臓脂肪面積100平方cm以上であったら、内臓脂肪型肥満に該当する。
内臓脂肪型肥満は、生活習慣病の大きなリスクファクター
内臓脂肪型肥満の状態にあると、高血糖や生活習慣病(糖尿病、高血圧症、脂質異常症など)にかかりやすくなる。また発症までに至ってないいわゆる予備軍であっても、動脈硬化が悪化するリスクが上昇してしまう。つまり内臓脂肪型肥満は、生活習慣病の大きなリスクファクターなので、放置せずに改善することが望ましい。
内臓脂肪はつきやすい反面おとしやすくもある脂肪なので、改善はそう難しくない。 運動怠慢やカロリーオーバーといった非健康的な生活習慣・食生活を改めることで、効果的に改善することができる。
厚生労働省では、『エクササイズガイド2006』と呼ばれる健康づくりを目的とした運動指針を作成している。
その基本内容は、1週間で23つの身体活動、うち4つ以上は活発な運動や生活活動を行うというもの。ただし内臓脂肪ダウンが目的の場合は、10以上の活発な運動・生活活動を行わなければならないと考えられている。
~活発な運動・生活活動の一覧~
活発な運動 |
運動時間 |
活発な生活活動 |
運動時間 |
軽めの筋肉トレーニング
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20分
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歩行
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20分
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早歩き
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15分
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自転車
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15分
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軽めのジョギング
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10分
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子供と遊ぶ
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15分
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ランニング
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7~8分
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階段の昇り降り
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10分
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バレーボール
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20分
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重い荷物の運搬
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7~8分
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ゴルフ
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15分
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エアロビクス
|
10分
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ランニング
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7~8分 |
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水泳
|
7~8分 |
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また厚生労働省では、『食事バランスガイド』と呼ばれる理想的な食生活を送るための基準も作成している。
これは内臓脂肪の過剰蓄積を防ぐ・改善することが目的の場合でも、役に立つ。
『食事バランスガイド』を大まかにまとめたものを、以下に記す。
~1日の理想的な食事バランス~
5~7SV |
主食(米、パン、麺 |
米であれば約4杯分 |
5~6SV |
副菜(野菜、きのこ、芋、海藻) |
野菜であれば約5皿分 |
3~5SV |
主菜(肉、魚、卵、大豆) |
それぞれ約3皿分 |