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見た目が太っている=肥満ではない
医学的な肥満とは体脂肪率が高いこと。細身の人でも内臓脂肪が多ければ肥満である。
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病気のリスクが高まる
生活習慣病の温床となる肥満。糖尿病や高血圧など、日常生活に大きな支障をきたす前に改善を!
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ウエスト男性85cm・女性90cm
内臓脂肪型肥満の判定基準以下でもギリギリではアウトかも?心当たりのある人は早めに医師の診断と指導を受けたい。
BMIでは標準体重なのに体脂肪率がかなり高い隠れ肥満かも!
肥満度とは、標準体重を100とした場合の標準と自己体重の差により判別されるものである。日本では大人の場合、一般的に世界共通の体格指数が用いられているBMI(Body Mass Index)で算出されることが多い。
年代によって次のように算出法に違いがある。
また、健康面(病気予防やリスク)の観点からは体重そのものより、体脂肪率の高さを基準としている場合もある。その場合は標準体重であっても、体脂肪率が高ければ「肥満度が高い」と判定される。
医学的に「肥満」というのは、体脂肪が一定以上、多い状態を指す。
“肥満=外見も太っている”というイメージを浮かべる人もいると思うが、細身でも体脂肪が蓄積されている人も多く、「かくれ肥満」と呼ばれている。その逆に、立派な体格(プロレスラーなど)でも、脂肪の割合が少なく骨や筋肉の割合が多い人は医学的な「肥満」ではないのである。
日本肥満学会が定義している肥満度は次の表のようにあらわされる。BMIは身長と体重から求められるため、この判定は体格を基準としたものである。
BMI | 肥満度判定 |
---|---|
18.5以下 | 低体重 |
18.5~25.0 | 普通体重 |
25.0~30.0 | 肥満度(1) |
30.0~35.0 | 肥満度(2) |
35.0~40.0 | 肥満度(3) |
40.0 | 肥満度(4) |
※日本肥満学会の判定基準
例1:身長160cm 体重55kgの場合
BMI = 体重55kg ÷ 身長 1.6m ÷ 身長1.6m = 21.5 → 普通体重
例2:身長160cm 体重80kgの場合
BMI = 体重80kg ÷ 身長 1.6m ÷ 身長1.6m = 31.3 → 肥満度(2)
体脂肪率から肥満度を判定する場合は、以下の表を用いる。
肥満度 | 体脂肪率 男性 | 体脂肪率 女性 |
---|---|---|
普通 | 15~20% | 20~25% |
肥満 | 25%以上 | 30%以上 |
※日本肥満学会の判定基準
さまざまな体脂肪率の算出方法があるが、正確な測定は難しい。
したがって、体脂肪計などで算出された数値は目安とすること。
WHO(世界保健機構)はBMIが30以上を肥満と定めている。
しかし、日本肥満学会ではBMI25以上で肥満と判定しており、国によって肥満の判定基準は違いがある。
日本の基準では、 肥満に伴う病気を引き起こしにくいのは、BMIが22の状態だと言われている。
そして、BMIが25以上の人は次のような生活習慣病の発症リスクが2倍以上に高まると言われている。
しかし、BMIのように身長と体重のみで単純に算出した数値だけでは「本当の肥満度」を表すことが困難である。
外見や実際の体重が標準値であっても、CT検査にて腹部をスキャン撮影すると内臓の周辺に分厚い脂肪がついている、という場合がある。こうした「内臓脂肪型肥満」は、一般的に腹囲が男性85cm、女性90cm以上と外見で判定も可能だが、必ずしも体重に反映されているとは限らないため、BMIだけでは判断が難しい。
内臓脂肪型肥満の人が下記の2つ以上を併発している場合を、「メタボリックシンドローム」という。
放置すると生命に危険を及ぼす病気(動脈硬化など)を引き起こす可能性が高まる為、予防や発見するためには、BMI等で算出した数値だけを目安とせず、医療機関で定期的な診察が必要である。