GI値とは、血糖値の上がりやすさを数値化したもので、グリセミック・インデックスとも呼ばれる。
食品の種類によって摂取後の血糖値の上昇の仕方に違いがあり、GI値は血糖値が上昇する速さの相対値である。GI値が高いほど血糖値を上昇させやすく、GI値が低いほど血糖値を上昇させにくいことを示す。
また、ブドウ糖の血糖値の上昇度合いを基準とし、ブドウ糖のGI値を100としている。
糖尿病の食事療法への応用
血糖値が急激に上昇すると、インシュリンという血糖値を下げる働きを持つホルモンが分泌される。
糖尿病は、このインシュリン分泌が不足したり欠乏したりすることによって、血糖値が高くなってしまう病気である。
糖尿病の治療は、食事療法を中心に行なっていくのだが、血糖値をコントロールするために、エネルギーを適切に摂取することに加え、血糖値を急激に上昇させないGI値の低い食品(低GI食品)の摂取が勧められている。
インシュリンダイエット
インシュリンダイエットとは、GI値の低い食品を選んで摂取するダイエット法である。もちろん、栄養バランスにも考慮する必要はあるが、GI値の低い食品を中心に摂取するダイエット法である。
インシュリンは、血糖値を下げるために余分なエネルギーを脂肪酸として脂肪細胞に蓄積する働きがある。そのため、血糖値が急激に上昇するとインシュリンが多く分泌されるため、多くのエネルギーを蓄積し、体脂肪を増やしてしまう。
つまり、血糖値を上昇させやすいGI値の高い食品は、脂肪を蓄積しやすいのである。
一方、GI値の低い食品は血糖値を上昇させにくいため、エネルギーを急激に体内に蓄積することはない。摂取エネルギーを消費し、体脂肪の蓄積を防ぐことができる。
「低インシュリンダイエット」とは、GI値の低い食品を摂取することによって、インシュリンの過剰な分泌を防ぎ、体脂肪を減らすダイエット法である。
インシュリンダイエットと低炭水化物ダイエット(アトキンスダイエット)は同じと認識している人が少なくない。
低炭水化物ダイエットは、炭水化物の摂取量を減らしてインシュリンの分泌を抑えるが、GI値の低い食品を摂取するように勧めていない。
低GI食品
食品をGI値によって3つに分類すると、GI値が55以下をGI値の低い食品(低GI食品)、GI値が70以上をGI値が高い食品、残りのGI値が56~69の食品は中程度となる。
GI値の低い食品と高い食品には次のようなものがある。
低GI食品
GI値が55以下の低GI食品には次のようなものがある。
高GI食品
GI値が70以上のGI値の高い食品には次のようなものがある。
低GI食品の注意点
GI値の低い食品は、消化されにくい食品でもあるため、体の調子の良くないときには控える必要がある。
体調の良くないときには、無理せず消化の良いものを摂取する必要がある。