肩甲骨は、体の後面に1対ずつあり、肩の下あたりにある出っ張った骨を言う。肩や腕の動きに連動して動く骨格である。
最近では、肩甲骨周辺にある脂肪細胞に肥満を防止する効果があるとして、ダイエットなどに取り上げられている。
肩甲骨がもつダイエット効果
肩甲骨の周辺には、脂肪を燃やす褐色脂肪細胞が密集している。肩甲骨を動かして、この褐色脂肪細胞を上手く刺激できれば、体温の上昇や体脂肪の燃焼に効果があると期待されている。近年、ダイエット方法やエクササイズ・ストレッチにおいて、注目されている部位である。
肩甲骨付近に存在する褐色脂肪細胞が活性化すると血行が促進されて、凝り固まった背中の筋肉に柔軟性が戻る。さらにストレスを解消するリラクゼーション効果があり、血流改善とともに身体の不調を徐々に改善していくことができる。
褐色脂肪細胞
褐色脂肪細胞とは、白色脂肪細胞と並ぶ脂肪細胞の一つで、脂肪を分解して熱エネルギーの産生をしている。
細胞内に幾つかの脂肪滴を含んだ多房性の脂肪細胞であり、脂肪を溜め込む白色脂肪細胞とは異なり、脂肪をエネルギーとして消費し、脂肪を分解する働きがある。
しかし、その数は極わずかであるため、ヒトの体における有効性は疑問視されていた。
ところが近年では、褐色脂肪細胞の有効性が確認され、肥満治療やダイエットへの活用が考えられるようになっている。
肩甲骨に起こる症状
肩甲骨から生まれる痛みは、五十肩などの整形外科疾患も考えられるが、ストレスによる筋肉の緊張なども原因となり、痛みを作り出していることがある。
また、近年はデスクワーク業務を行う人が増え、パソコンの前に座り続けることで猫背などの背中を丸めた姿勢の人が多くなっている。
このような姿勢は筋肉の働きを停止させ、だんだんと硬くしていく。動きがなくなった筋肉は血液の流れを悪くし、老廃物を血管内に残していくことになる。老廃物が停滞した血管内は、血流がさらに悪くなり、冷えや凝りを作り出すことになる。
肩甲骨の柔軟性を高めるストレッチ
肩甲骨を適度に動かす運動(肩甲骨ダイエットやストレッチなど)で肩回しなどを行い、肩甲骨や周辺の筋肉を刺激すると柔軟性を取り戻すことができる。
肩甲骨の柔軟性を高める運動には、肩甲骨ダイエットにおいて紹介されているエクササイズや、医療機関などのリハビリを目的として行われているストレッチがおススメである。
肩甲骨を伸ばす姿勢(伸びのポーズ)
- 四つん這いになり、手を徐々に前に伸ばしていく
- 腰がかかとに付くようにゆっくり落としながら、上半身が床に付くくらい伸ばす
- しっかりと伸びたら、その状態で10秒ほど静止する
- ゆっくりと上体を起こし、四つん這いの状態に戻る
慣れてきたら、止める時間を少しずつ伸ばしていくと、さらなるステップアップに繋がる。
肩甲骨をグルグル回す運動
- 前ならえをし、腕を伸ばしながら、耳の横まで腕が来るように真上に伸ばす(指先まで意識して伸ばすと良い)
- 伸ばした腕を真横に開き、肩の高さで止める
- 上を向いている掌を反転させ、下に向ける
- 肩の位置からゆっくりと下していき、太ももの横につける
文字では少しわかりづらいこの「肩をグルグル回す運動」であるが、実はラジオ体操で行われる初めの運動と同じものである。
ラジオ体操は、生活習慣病予防や健康増進に役立つ効果が期待できるため、普段からストレッチに取り入れておくのも良い。
また、肩甲骨を動かすことのできる良い体操となっているため、肩甲骨エクササイズの一つとして習慣付けてみるのも◎!
肩甲骨エクササイズの例
肩甲骨を積極的に動かして褐色脂肪細胞を活性化する「肩甲骨ダイエット」のコラムをご紹介。
https://slism.jp/communication/7-exercises-of-the-scapula-diet.html
朝晩5分やり続けるだけでやせると話題の肩甲骨ダイエット。どういう運動を行えば効果的に痩せられるのか、写真を使って解説している。