体型や体重にこだわりが強くなってしまう精神疾患。ダイエットがひきがねになることも…
10代の女性に増える拒食症
拒食症とは、神経性食欲不振症、AN(Anorexia Nervosa)とも呼ばれる摂食障害の一つである。
10~19歳の女性に多く、40歳以降はわずかである。
ここ数十年で急激に増えている。重症化すると命の危険もあるため、専門的な治療が必要となる精神疾患である。
摂食障害(主に拒食症と拒食症に大別できる)の原因は、社会的要因・心理的要因・家庭環境など、さまざまな要因が複雑に関係している。
「痩せているほうが美しい」という現代の社会的風潮などが挙げられる。
「自分なんて」「自分は太っているから醜い」というように自己評価が低いこと、完璧主義であること、体重や体型への過剰なこだわり などが挙げられる。
両親の離婚・不和、親からのプレッシャー(期待が大きすぎる)、育て方に偏りがある などが挙げられる。
また、親から体型について否定的なことを言われた経験なども原因になる。
拒食症の患者は、体重へのこだわりが強く、「痩せたい」「太りたくない」という気持ちが強い。そのため、体重が減少していても、次のような症状がみられる。
など
また、自分が低体重であるという自覚がなく、低体重の問題性を認めない、周囲の助言も聞き入れない、極端に体重が減少していても活発に学業や仕事をこなす などの特徴もある。
拒食症で命を落とすことも
低栄養により、次のような身体的な症状も現われる。
など
拒食症は命の危険もあり、低栄養による電解質の異常・感染症などが原因となっている。
拒食症は精神疾患を合併する場合も少なくない。併発する精神疾患には、気分障害や不安障害、人格障害などがある。
拒食症の治療は、心のケア、体の症状に対する治療、栄養状態を改善するための栄養剤などによる治療などを行い、心と体の両面から回復を目指す。
拒食症の心のケアで取り入れられている心理療法には、次のようなものがある。
など
拒食症などの精神疾患を専門とする病院の種類、治療方法、医療機関の選び方などを詳しく紹介している。