脂肪燃焼率UPのケトン体ダイエットは、ケトアシドーシスに注意!
ケトン体は、ブドウ糖の代わりに体脂肪がエネルギーとして使われると生じる燃えカス。極端な低炭水化物ダイエット(ケトン体ダイエット)、糖代謝をコントロールするインスリン分泌が異常になる糖尿病、下痢、嘔吐、悪阻で食事がとれない時などに増加する特徴がある。体内のケトン体量がどれくらいであるかは、尿検査や血液検査でチェックすることができる。検査結果が基準値を大きく超えていた場合、体液が酸性に傾き、ヘタをすると昏睡や意識障害が起こるケトアシドーシスが心配されるので、ケトン体を過剰に増やす原因をつくらないよう注意すること。
ケトン体は、アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸、アセトンの3つから形成されている物質。
ブドウ糖の代わりに体脂肪がエネルギー源として燃やされた時に、残留物として生じる。
ブドウ糖の代わりに体脂肪が燃焼される場合には、低炭水化物ダイエットで糖の摂取量を大きく削っている場合、糖代謝をうながすインスリンが不足・正常機能しなくなる糖尿病に罹っている場合、下痢や嘔吐で体から糖がたくさん失われてしまった場合、妊娠のつわりのせいで十分に食事できない場合などが挙げられる。
低炭水化物ダイエットや糖尿病などでケトン体が増加すると、尿や血液のなかにケトン体がたくさん含まれるようになる。尿中や血液中のケトン体量は、健康診断の尿検査や血液検査で知ることができる。尿中ケトン体値に関しては、専用のケトン体試験紙を使えば、個人的に調べることも可能。
(-) 陰性 …… 問題なし
(+) 陽性 …… 糖尿病、ダイエットによる飢餓などの疑いあり
130μmol/l未満 …… 問題なし
130μmol/l~2000μmol/l未満 …… 1型糖尿病、2型糖尿病、ダイエットによる飢餓などの可能性あり
2000μmol/l以上 …… 1型糖尿病、シックデイ(糖尿病者が風邪や下痢になること)などの疑いあり
ケトン体が過剰に増えると、血液や体液のPh(水素イオン濃度指数)が上昇して酸性に傾いてしまう。
この状態になることをケトアシドーシスといい、ケトアシドーシスになると昏睡や意識障害が起きて最悪命が危ぶまれることもあるので、腹痛、頭痛、食欲の減退、多尿、口渇、吐き気などの不調が表れていたら、ケトアシドーシスの前兆症状ととらえて早目に医師に診てもらうこと。
炭水化物(糖)の摂取量を減らすことで、体脂肪燃焼を促すダイエットのことを、ケトン体ダイエット、低炭水化物ダイエット、アトキンスダイエット、ローカーボダイエットなどという。
科学的根拠のあるダイエット法なので成果は確実だが、ケトン体が増えすぎると上記でも述べたようにケトアシドーシスのリスクが高まるので、加減を考えて実行すること。
ご飯やパンなどの主食を減らして、体脂肪ダウンをこころみる炭水化物ダイエット。医学的にも筋が通った方法なので、得られるダイエット効果は大きいですが、疲れやすくなる、集中力が落ちる、ケトン体が生じて体が臭くなるなどのリスクがあるので、頑張り過ぎには注意しましょう。