血中グルカゴン検査とグルカゴン負荷試験は、糖尿病チェックや治療に役立つ。
グルカゴンは、血糖値をコントロールするホルモン。膵臓のランゲルハンス島のα細胞で産生される。血中のグルカゴンが少なすぎると慢性膵炎、多すぎると糖尿病などの病気が疑われる。グルカゴンの注射と血中Cペプチドの採取を行うグルカゴン負荷試験では、インスリンの分泌能力を知ることができる。インスリンの分泌能力が分かると、糖尿病の治療方針を決めることができる。
グルカゴンとは、血糖値をコントロールする役目を担っているホルモンのこと。
お腹が空いて血糖値が下がると、膵臓のランゲルハンス島にあるα細胞よりグルカゴンが分泌される。
グルカゴンは肝臓のグルコーゲンを代謝してブドウ糖に変えることで、血糖値を上昇させる。
血糖値が上がり過ぎた場合は、グルコガンは膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞に、インスリンを分泌するように命令を下す。インスリンが分泌されると、血糖値は低下する。
低血糖になると、グルカゴンが血糖値を上げたり交感神経を刺激したりするので、手足のふるえや心臓の高鳴りなどの症状が表れるようになります。この状態が続くと健康が危うくなるので、ジュースや果物を食べて早目に対処しましょう。
グルカゴンの分泌が正常であるかどうかは、血液検査(グルカゴン検査)で調べることができる。
血中グルカゴン値が正常値から大きく外れている場合、以下のような病気に罹患している可能性がある。
※血中グルカゴン値の正常値は、50~150pg/ml未満とされる。
グルカゴンは、膵臓のインスリン分泌能力を知る手掛かりにもなる。
膵臓のインスリンの分泌能力を調べることを目的とした検査を、グルカゴン負荷試験という。
グルカゴン負荷試験の内容は、グルカゴンの静脈注射と血液中のCペプチドの採取を行うというもの。
グルカゴン負荷試験の結果をみて、以下のように糖尿病の治療方針を決めることができる。
グルカゴン検査もグルカゴン負荷試験も、今は未だ研究段階にあり、血糖値測定やインスリン検査ほど普及していない。しかし膵臓機能を調べるのに有効な糖尿病検査として、期待がもたれている。