副腎髄質より分泌される神経伝達物質(ホルモン)がアドレナリン。
アドレナリンは交感神経の働きが興奮状態になったとき、血液中に放出される。
放出されたアドレナリンには心拍数や血糖値などを上昇させ、心筋収縮力を高める働きなどがある。
また、アドレナリンには空腹を感じにくくさせる作用や脂肪を溜め込む作用があり、アドレナリンと結合して活性化する受容体(レセプター)・アドレナリン受容体には、脂肪の燃焼効果もある。
アドレナリンとは?
アドレナリンとは、副腎髄質より分泌されるホルモン。
アナフィラキシーショックの治療薬としても用いられている。
アドレナリンにはαとβの2種類が存在し、各部位に存在するアドレナリン受容体と結合することで活発化する。
アドレナリン受容体となるレセプターは脂肪細胞や心筋、平滑筋などに点在し、α受容体は興奮作用をもたらし、β受容体は抑制作用をもたらす。
アドレナリン受容体(レセプター)の種類と脂肪分解作用
アドレナリン受容体は、通常α1、α2、β1、β2、β3に分類され、さらにα1はα1A,α1B,α1Dに、α2はα2A,α2B,α2Cに分類される。
このうち脂肪分解力を有しているのがβ3アドレナリン受容体で、褐色脂肪細胞内で脂肪を分解し熱を産生させる。
ただし、日本人など黄色人種においては、β3アドレナリン受容体の遺伝変異により、逆に脂肪を蓄えるケースも少なくない。
受容体変化による肥満遺伝子(倹約遺伝子)と痩せ遺伝子
β3アドレナリン受容体による脂肪蓄積は、遺伝子変異であるβ3アドレナリン受容体遺伝子ミスセンス変異によるもの。
摂取したエネルギーを無駄にせず、効率よく利用し、余ったエネルギーを中性脂肪などに変え体内に保存することから「倹約遺伝子」「節約遺伝子」などと呼ぶことがある。
現在、日本人の約3割がβ3アドレナリン受容体の遺伝変異、つまり倹約遺伝子を有していると言われる。
遺伝子変異を起こしたβ3アドレナリン受容体を持つと、基礎代謝が低下し、エネルギーを蓄えやすい体質、すなわち痩せにくい体質になるため、ダイエットしたい人にとってはデメリットとなる。
逆に、β2アドレナリンが遺伝子変異を起こした場合、いくら食べてなかなか太らないという体質となる。
β3アドレナリンとは逆、にβ2アドレナリンの遺伝子変異は基礎代謝を高めるため太りにくい体質となるのだ。
アドレナリンを放出させてダイエットを有利に!
血糖値が下がると空腹感を感じるようになり、間食をするなど無駄なカロリーを摂取する可能性が高くなる。
アドレナリンには血糖値を上昇させる、つまり空腹感を感じさせない作用があるため、間食をしたくなったらアドレナリンを高めてみるのが良い。
アドレナリンは興奮状態にあるときだけでなく、運動によっても体内に放出される。
軽いウォーミングアップなどから始めてやると、よりアドレナリンを出やすくなる。
アドレナリンを放出することにより空腹を感じるまでの時間が長くなり、ダイエットもよりスムーズに行えるようになる。