必須ミネラル類のマグネシウムは、海藻や木の実などの食品に多く含まれる。
マグネシウムは、人体になくてはならない必須ミネラル類。骨や歯に多く在るが、筋肉、脳、神経などの組織にも存在している。マグネシウムは全酵素の働きを助ける重要な栄養素。マグネシウムのおかげで骨や歯の強度が保たれ、筋肉・脳・神経は正常に活動でき、エネルギー代謝も滞りなく行えている。マグネシウムが過不足すると心身の健康が損なわれるので、海藻や木の実など含有量の多い食品をとって、十分量を補給することが大切。
マグネシウムは、人の体にとってなくてはならない16種類の必須ミネラルのうちの1つ。
人の体(大人の場合)のなかには20g~30gの量のマグネシウムがあり、そのうちのおよそ60%は骨や歯の中に、残りの40%は筋肉、脳、神経などの組織にあると言われている。
人の体には、消化酵素や代謝酵素など、全部で300種類以上もの酵素が存在している。
マグネシウムは、300種類すべての酵素の働きを支える補酵素として、さまざまな重要な役割を果たしている。
マグネシウム量が十分にあると、すべての酵素がしっかり働くようになるので、筋肉、脳、神経が正常に機能し、体温や血圧も安定する。またエネルギー代謝も安定して行われるので、肥満のリスクを低くすることができる。さらには女性に多い不定愁訴の偏頭痛が起こりにくくなるとも言われている。
マグネシウム量が不十分だと、マグネシウムに支えられている組織が正常に機能しなくなってしまう。
すると骨や歯が弱くなる、脈や血圧が不安定になる、筋肉が痙攣する、神経が高ぶって気持ちの上下が激しくなるなど、心身にさまざまな不調が表れるようになるばかりか、心臓の血管を塞ぐ血栓ができやすくなってしまう。
マグネシウムの多い食品群には、海藻類、木の実類、魚介類、大豆製品などが挙げられる。
組織を正常に機能させ心身の健康を保つには、以下のような食べ物をマグネシウムの摂取源にするとよい。
なお1日に摂りたいマグネシウムの理想量は、男性で370mg、女性で280mgとされている。
海藻類 | 木の実類 | ||
---|---|---|---|
あおさ 青海苔 わかめ ひじき 昆布 |
3200 mg 1300 mg 1100 mg 620 mg 540 mg |
胡麻 アーモンド 松の実 カシューナッツ 落花生 |
360mg 270mg 250mg 240mg 200mg |
魚介類 | 大豆製品 | ||
---|---|---|---|
煮干し ナマコ しらす干し |
230mg 160 mg 130 mg |
豆味噌 油揚げ ゆで大豆 納豆 |
130 mg 130 mg 110 mg 100 mg |
※マグネシウムは、ピュアココア(440 mg)や抹茶(230 mg)などの飲み物にも多い。
マグネシウムは、たくさん摂りすぎても心身に良くない影響が出るので注意。
特に腎不全の人は気を付けなければならない。腎臓は、多すぎるマグネシウムの排泄のために働く臓器なので、腎臓が悪いとマグネシウムが不要に体にたまって、高マグネシウム血症を発症する恐れがある。
健康な人でもお腹を下すことがあるので、マグネシウムは適量の摂取を心掛けたい。 普通に食事していればほぼ十分な量を摂ることが可能なので、食事に加えてマグネシウムのサプリメントを飲むといった努力はしなくてもよい。
ミネラルにはたくさんの種類があります。ミネラル類のうちマグネシウムやカルシウムなど必須ミネラルに分類されるものは、人の体内では作りだせない特に大事な栄養素なので、バランスの摂れた食事でしっかりチャージしましょう。