カシスは、約1㎝の赤黒い実をつけるユキノシタ科の落葉性植物である。原産地域は北ヨーロッパや西・中央アジアなどであり、生産が盛んな地域は栽培に適した環境のニュージーランドが代表的だが、日本の青森でも栽培されている。甘味と酸味があり香りもよいカシスの実は、お酒や菓子類など多くの飲食品に用いられている。
カシスは、ポリフェノール類であり色素成分でもあるアントシアニンを豊富に含有しているため、眼の健康向上に有効である。またビタミンCや食物繊維など美肌やダイエットに役立つ栄養素も豊富に含まれている。
カシスは、クロフサスグリなどとも呼ばれるユキノシタ科の植物
カシスは、1㎝ほどの赤黒く丸い実をつけるユキノシタ科スグリ属の落葉性植物である。
一般的な呼び方はフランス語のカシスだが、日本語ではクロフサスグリやクロスグリ、英語ではブラックカラントと呼ばれる。クロフサスグリは漢字で“黒房酸塊”、クロスグリは“黒酸塊”と表記される。
カシスの原産地域には、北ヨーロッパ、西アジア、中央アジア、ヒマラヤなどが挙げられる。
生産が盛んな地域は、紫外線が強く栽培に好環境のニュージーランドが代表的であるが、日本の青森でも栽培されており、国内生産量の約9割を占めていると言われている。
カシスの葉は夏のはじめに収穫され、実は夏の半ば~終わり頃に成熟したものが収穫される。
なお見た目が似ているなどの理由で、カシスの仲間と思われがちなブルーベリーは、ツツジ科スノキ属に属している全く別種の植物である。
カシスの実は、お酒や菓子など多くの飲食品に利用されている
カシスの実には、酸味と甘味があり芳香も良いため、多くの飲食品に利用されている。
カシスリキュール、カシスジュース、カシスケーキ、カシスジャムなどが例に挙げられるが、加工せず生のまま食すこともできる。葉や種も食用になり、葉を乾燥させたものは漢方生薬に、種の抽出物は種子油となる。
ブルーベリーの3~4倍量のアントシアニンが含まれている
カシスの実から抽出される果汁には、ポリフェノール類のアントシアニンが豊富に含まれている。
含有量は生産地域などにより異なるが、ニュージーランド産のカシスを例に挙げた場合、100g中に500~600mgが含まれているとされる。これはブルーベリーの3~4倍に相当する量である。
アントシアニンは色素成分でもあるため、濃い赤紫色を呈するものほど含有量が多いと判断することができる。
アントシアニンの摂取で、眼の健康向上の効果が得られる
カシスのアントシアニンは、眼の健康向上に効果的と言われている。
アントシアニン40mgを含むカシス食品を摂取させる実験では、利き目の屈折改善の成果が得られている。
また緑内障の罹患者にカシス由来のアントシアニンを1日50mg、2年間摂取させる実験では、わずかだが視野欠損の進行防止がみとめられている。
ビタミンCや食物繊維など、他の栄養素も豊富である
カシスにはアントシアニンの他にも、多種の栄養素が豊富に含まれている。
具体的には、ビタミンC、食物繊維、βカロチン、カルシウム、マグネシウムなどを含有しており、これらは美肌など美容向上や、ダイエットに有効と言える栄養素である。