バナバは、フィリピンなど熱帯の東南アジア地域に生息するミソハギ科の植物である。楕円形の大きな葉には、血糖値の上昇や肥満を防止する効果があると言われており、フィリピンでは糖尿病に効く薬として、乾燥葉から作られるバナバ茶が飲まれている。日本でもバナバ配合のサプリメントやお茶商品が多種販売されているが、大量摂取や血圧降下剤との併用は避けるべきとされている。
バナバの葉は、血糖値や肥満に効くと言われている
バナバは、和名を大花百日紅(オオバナサルスベリ)といい、フィリピン・インドネシア・タイなど熱帯の東南アジア地域に生息しているミソハギ科の植物である。ピンク色の花と30㎝にもなる楕円形の大きな葉が特徴的である。
バナバの葉には、血糖値の上昇や肥満を防ぐなど、薬用効果があると言われている。
生息地域のフィリピンでは、糖尿病に効果的な民間薬として、バナバの乾燥葉を煮出しして作られるバナバ茶が飲まれている。
日本においても、ティーバック入りの健康茶など、バナバの薬効を売りにしたさまざまな商品が出回っている。
代表的な商品には、山本漢方製薬より販売されている「バナバ茶」や「バナバ粒」、DHCより販売されているバナバのサプリメントなどが挙げられる。
糖尿病への有効性は定かでないが、可能性はある
実際のところ、バナバの糖尿病や肥満への有効性は定かではない。
しかし糖尿病に罹患しているマウスを被験対象に、バナバ葉の抽出エキスを摂取させる動物実験では、血糖値の低下を示す結果が得られているため、人にも有効な可能性はあると言える。
血糖値降下剤との併用、大量摂取などは控えるべき
糖尿病の治療のため、血糖降下剤を服用している場合は、バナバ茶の飲用を控えるべきである。
理由は、血糖値が下がり過ぎる恐れがあるためである。
またミソハギ科の植物やバナバにアレルギー反応を示す人、妊娠中や授乳中の女性が摂取することも、安全性が保障されていないので控えたほうがよい。
山本漢方製薬のバナバ茶やバナバ粒にも、同内容の注意表示がされている。
また「必要以上の大量摂取は避けるように」「大量摂取で病気が治るものではない」との注意表示もあるため、糖尿病を治す目的でがぶ飲みするといった摂取の仕方は控えたいところである。