レプチンは、脂肪細胞から分泌されるホルモンである。脂肪が増えてくると、満腹中枢や交感神経に働きかけて食欲を抑えたり脂肪燃焼を促したりする。ただし脂肪増加が激しいと、血中レプチン濃度が極端に高値を示し、食欲抑制力が効かなくなってしまう。また分泌量が多過ぎると、感染症予防のための炎症が強く起こりすぎるので良くない。少なすぎても肥満を招くので、適量分泌が理想的であると言える。
レプチンは睡眠不足が続くと分泌量が少なくなってしまうため、肥満や肥満を原因とする疾病予防のためにも、十分な睡眠確保が大切である。
レプチンは、食欲を抑え脂肪燃焼を促すホルモンである
レプチンは、インスリンの作用を受けることで、脂肪細胞から血液中に分泌されるホルモンである。
体の機能調節に欠かせないアディポサイトカインであり、脂肪が増えてくると、脳の視床下部にある満腹中枢に働きかけて食欲を抑制する。さらには、交感神経の活動を盛んにして脂肪燃焼を促し、肥満を防止する。
※レプチンという名前は、ギリシャ語で「痩せている」を意味する「leptos」が由来となっている。
脂肪が増えすぎると、食欲抑制の力が及ばなくなる
ただし脂肪が増えすぎると、血中レプチン濃度が異常に高くなる上、食欲抑制の力が及ばなくなってしまう。
またレプチンには炎症作用もあり、これは感染症を防ぐための重要な働きであるが、炎症が激しすぎると健康を害する原因になってしまう。
分泌が減り機能も低下することを、レプチン抵抗性という
レプチンは肥満防止に有効な物質であるが、多く分泌されるほど良いというわけではない。
もちろん少なすぎても、糖尿病や脂質異常症など、生活習慣病のリスクが増してしまうのでよくない。
なおレプチンの分泌量が減り機能も低下してしまうことを、レプチン抵抗性という。
睡眠不足が続くと、レプチンの分泌量が減少してしまう
睡眠不足が続くと、レプチンの分泌量が減少してしまうことが分かっている。
レプチンが減少する代わりに、グレリンと呼ばれるホルモンの分泌量が増加する。グレリンは食欲を増進させる物質であるため、睡眠不足が続くことは、余計に食欲を増進し肥満のリスクを高めることになるのである。
糖尿病や心筋梗塞・狭心症などの疾病がある人は、慢性的な睡眠不足のことが多いことも分かっている。
以上から、レプチンをきちんと分泌させ肥満や肥満が原因の疾病を予防するためには、十分な睡眠時間を確保することが必要であると言える。
睡眠時間が少ないと、太りやすくなることを知っていますか?理由は、睡眠不足は食欲を抑えるレプチンの減少を招いてしまうからなんです。ダイエット成功のカギは寝不足解消にありと言って過言ではありませんので、すぐに自分の睡眠時間を見直しましょう。