甜茶は、バラ科の甜葉懸鈎子などを原料とする甘いお茶である。特徴的な含有成分は、砂糖の70倍以上の甘さを有するルブソシドや、抗アレルギーの効能をもつとされる甜茶ポリフェノールである。甘くて超ローカロリーという特徴はダイエットに有効利用でき、抗アレルギーの効能は花粉症対策に役立つ可能性がある。
甜茶は甜葉懸鈎子などを原料とする甘いお茶である
甜茶は「てんちゃ」と読み、バラ科の甜葉懸鈎子(てんようけんこうし)、アカネ科の牛白藤(ぎゅうはくとう)などの植物を原料とするお茶であり、「甜」の名前が示すとおり甘味がある。
原料となる植物には多種あるが、日本においては、中国南部の広西チワン族自治区に生息するバラ科の甜葉懸鈎子を原料とした甜茶が有名である。
砂糖の70倍以上も甘いルブソシドなどを含有する
甜茶は、特徴的なルブソシドや甜茶ポリフェノールのほか、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどさまざまな成分を含有している。ルブソシドには、砂糖の70倍以上の甘さを有する特徴があり、甜茶ポリフェノール(GODポリフェノールともいう)には、抗アレルギーの効能・花粉症の症状緩和の効果があると言われている。
人体への有害性が認められるような報告はない
甜茶の、抗アレルギーや花粉症に対する効能・効果の確実性については、未だ研究段階である。
しかし以下のような試験結果が報告されている。
なおこれらの試験において、副作用の発現や著しい健康被害など、人体への有害性が認められるような報告はあがっていない。
試験1
鼻アレルギー(通年制)の罹患者21人を被験対象に、甜茶エキス40 mgを含有する粒を、1日3粒・1ヶ月間にわたり摂取させたところ、くしゃみや鼻水などの症状が減り、鼻誘発反応や鼻汁中好酸球検査において改善がみられた。
試験2
スギ花粉症の罹患者15人を被験対象とし、花粉症症状が表れる2週間前から、甜茶エキスを40 mg含む飲料を1日2缶・1ヶ月以上摂取させたところ、花粉症の症状が表れた後に摂取するグループと比べて、薬の使用量が減少し、また症状薬物スコアの改善がみられた。
ダイエットや花粉症に有効利用できるが、目安量は守るべき
甜茶にはお茶のほか、甜茶飴や甜茶サプリメント(サントリーの甜茶400など)など多種の商品がある。
お茶や飴には甘味がありながら超ローカロリーという特徴があるため、ダイエットに有効利用できる。
花粉症への薬効を期待しサプリを摂取するのもよいが、いずれも目安量等の注意事項がある場合は守るべきである。