リンゴ酸は、天然ではリンゴなどの果実に多く含まれている有機酸。ブドウ酸を還元するといった方法で合成することもできる。爽やかな酸味をもつリンゴ酸は、ゼリーや清涼飲料水など多くの食品の酸味料として利用されている。リンゴ酸は食品の味を調えるほか、疲労回復や新陳代謝アップなどの効果も有する。また他の物質と組み合わせることで、傷んで空洞ができた髪の補修、カルシウムや鉄の吸収率アップなどの効果も発揮する。
リンゴなどの果実に多く含まれている有機酸の1つ
リンゴ酸は、クエン酸、酒石酸、コハク酸と同じく有機酸の1つに数えられる物質。
天然ではL型(L‐リンゴ酸)として野菜や果実に含まれており、野菜よりも果実に多く含まれている。リンゴ酸が多く含まれる果実には、代表的なリンゴのほか、ザクロ、サクランボ、バナナ、グァバ、ブドウなどが挙げられる。
天然以外では、フマル酸とアルカリとを一緒に熱して水を加える、マレイン酸を高温環境下で水を加える、ブドウ酸から酸素を除去する、ブロムコハク酸を水解するなどの方法で合成できる。合成でできたリンゴ酸は、DL-リンゴ酸と成分表示される。
爽やかな酸味を有するため、食品添加に用いられている
リンゴ酸は爽やかな酸味を有するため、味を調えるための酸味料として、食品添加に用いられている。
リンゴ酸を酸味料として用いている食品には、ゼリー、シャーベット、キャンディなどの菓子類、果実飲料や乳酸菌飲料などの清涼飲料水、ジャム、漬物、マーガリン、マヨネーズなどさまざまなものがある。なおリンゴ酸はリンゴ酸のみ単独で使われることもあるが、多くの場合は他の有機酸と併せて使用される。
リンゴ酸には、乳酸を減らして疲労を癒したり、新陳代謝を高めたりする健康効果もある。
よってリンゴ酸が多く含まれているリンゴは、疲労回復の効果を期待して食べることが奨められている。
https://slism.jp/featured/fruit-diet/frt_presen.html
食物繊維がいっぱいで便秘解消に役立つバナナ、疲労を癒すリンゴ酸が含まれるリンゴ、ビタミンCが多くて美肌や血液サラサラ効果のあるミカンなど、ダイエットや美容に最適なフルーツ厳選10種類です。
他の物質との組み合わせで、さまざまな効果を発揮する
リンゴ酸は他の物質と組み合わせることで、さまざまな効果を発揮する。
リンゴ酸・他の有機酸・経皮吸収促進剤の組み合わせでは、ダメージを受けてできた毛髪の空洞を埋める効果を発揮する。この技術で作られた商品には、アジエンスシリーズなど花王のヘアケア剤が有名。
クエン酸・リンゴ酸・カルシウムを組み合わせたものは、クエン酸リンゴ酸カルシウム(CCM)と呼ばれ、カルシウムの吸収率を高める効果を発揮する。この効果を売りにした商品には、富永貿易が販売するカルシウムパーラーが挙げられ、カルシウムパーラーは特定保健用食品に認可されている。
ほかにもCCMには、鉄の吸収を邪魔するカルシウムの働きを弱くする効果がある。