クールダウンは整理運動と呼ばれ、筋肉疲労の回復を目的に行われる運動である。準備運動(ウォーミングアップ)が筋肉内の血流を促進し、腱や筋肉の柔軟性(伸縮性)を高める役割を持つのに対し、クールダウンは、運動直後の筋肉に留まる血液を心臓に戻し、貧血状態を予防するとともに、運動中に生じた疲労物質を、筋肉から除去する役割がある。
激しい運動の後にいきなり完全休止すると、大量の血液が筋肉中に留まったままとなるため、場合によっては貧血によるめまいや、吐き気などが発生する。また、排出されずに蓄積された疲労物質は筋肉痛の原因となる。
クールダウンとは
クールダウンとは、運動により留まった筋肉中の血液を心臓に戻し、血流を確保することで貧血を防ぎ、筋肉内の疲労物質(老廃物)を除去することで疲労の回復を図る運動。準備体操(ウォーミングアップ)に対し整理運動と呼び、運動直後の、体調を整えるための軽い運動を指す。
激しい運動直後の完全静止は、めまいや吐き気などを招くことがあるが、これは運動直後の筋肉に留まる大量の血液が心臓に戻らず、脳が一時的な貧血状態に陥るため。また、血流が滞ることにより、筋肉中の疲労物質(老廃物)が排出されず、場合によっては激しい筋肉痛を招く原因となる。
クールダウンが必要となる理由
まとめると、クールダウンが必要な理由は次のとおりである。
- 筋肉内に留まったままの血液を循環させ、脳などに必要な血液を確保すること。
- 運動直後の、伸縮性、柔軟性が低下した筋肉の保護。
- 筋肉痛の原因となる老廃物(乳酸)の除去。
激しい運動直後には急な安静を避け、ゆっくりとペースダウンさせていき、最後に軽いストレッチ(クールダウン)を行ってから完全休止するのがベストと言える。
クールダウンさせる方法
クールダウンに効果的な方法としてストレッチや軽いランニングなどが代表的。
疲労した筋肉をしっかりとケアし、血行を促進することが、筋肉疲労の早めの回復をもたらし、筋肉痛の軽減に繋がる。
また、アイシングによる直接的なクーリング手法もあり、この場合、体を静止させたま疲労物質を抑制することができる。
ストレッチ
クールダウンを目的にストレッチを行う場合、ベッドのように腰の掛けられる場所で行うのが奨め。
片脚をベッドの上に乗せ、もう片方の脚は床に下して体を前屈させる。こうすることで太ももの裏の筋肉を伸ばすことができ、ハムストリングスのストレッチができる。
アイシング
運動後にクーリングアイテムを用い、関節などを冷やすのが効果的。アイシングで血液の流れを抑え、怪我を起こしやすい関節の炎症を予防する。