-
アミノ酸含有量が多い
玄米を発酵させて作る黒酢は、他の食酢に比べてアミノ酸含有量が多い。
-
疲労回復などに効果的なBCCAを含む
黒酢には、筋肉の疲労回復や脂肪燃焼促進の効果があるBCAA(分枝鎖アミノ酸)が含まれている。
-
高濃度の酢酸に注意
黒酢成分の1つである酢酸には、血圧低下の効果が期待できる。しかし高濃度の酢酸には中毒のリスクがあるので、摂取を控えたほうがよい。
ダイエット効果をもつ黒酢には、中毒のリスクもある!?
黒酢とは、玄米を発酵させてつくる純玄米酢のことである。熟成させるほど黒くなるという特徴から「黒酢」の名で呼ばれている。黒酢が含有する成分に、疲労回復や代謝アップ・血圧低下の効果があるとされているが、高濃度の酢酸を原因とする中毒症状などが報告されているため、摂取の仕方には注意が必要である。
黒酢は玄米を原料とする酢であり、静置発酵法と呼ばれる方法で製造する。
純玄米酢のことを指すが、熟成させるほどに濃い黒色を呈する特徴があるため、黒酢と呼ばれることが多い。
また鹿児島県の福山にて、約200年にわたり製造されてきた歴史を持つことから、福山酢の別称もある。
瓶に玄米・麹・水を2:6:1の割合で仕込んだのち、糖化、アルコール発酵、酢酸発酵の行程で熟成させていくのが、黒酢の製造方法である。
黒酢には、アミノ酸・酢酸・糖分などさまざまな成分が含まれている。
そのうちアミノ酸の含有量は、穀物酢や米酢など他の食酢と比較すると、群を抜いて多い。
黒酢100ml中に500mg~600mgものアミノ酸を含むというデータもあり、この含有量は米酢の5~6倍に相当する。(東京農業大学 小泉武夫博士による試算)。
アミノ酸には多くの種類があるが、そのうちの1つにBCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれるものがある。
BCAAは人の体内では合成不可能な必須アミノ酸であり、貴重な筋肉のエネルギー源である。したがって意識的に摂取することにより、筋肉の疲労回復や代謝アップの効果を得ることができる。
黒酢にはこのBCAAが含まれるため、疲労回復や脂肪燃焼(ダイエット)に有効と言われているのである。
青汁に赤ワインにバナナなど、調理不要の食品を用いて、簡単にダイエットする方法のまとめです。1日に摂取すべき量や飲むタイミングなど、安全な黒酢ダイエットの方法も記載されています。
調理の手間が要らないさまざまな食品で、簡単にダイエットする方法のまとめ。1日の摂取量や飲むべきタイミングなど、黒酢の正しい利用方法も紹介。
含有成分の1つである酢酸には、血圧低下の効果を期待することができる。
最高血圧値130~159 mmHg、最低血圧値85~99 mmHgの被験者数十名に、15%の黒酢を含む飲み物を摂取してもらったところ、酢酸の作用で血圧値が低下したという試験結果が報告されているからである。
ただし、濃度の高い酢酸の摂取は控えたほうがよい。理由は、中毒症状が表れる危険性が高いからである。
実際、濃度30%の酢酸を100mlほど摂取したところ、強い腹痛や嘔吐などの症状が表れたのちに、無尿や呼吸吸困難、播種性血管内凝固症候群(DIC)の発症にいたったという報告例がある。
他にもサプリメントなどの黒酢商品を、継続的あるいは一度に大量摂取したことが原因で、健康上のトラブルを引き起こした報告が数多くある。
以上をふまえると、黒酢を摂取する際は、酢酸濃度の高いものや大量摂取に注意すべきと言える。