ヤーコンは、サツマイモのような塊根をつけるキク科の植物である。ヤーコンイモや、南米のアンデス高原が原産地であるためアンデスポテトと呼ばれることもある。塊根はフラクトオリゴ糖を含んでおり、甘味と梨に似た食感があるため、サラダや和え物などの料理に用いられる。ヤーコンの葉はヤーコン茶という名のハーブティー原料になり、ポリフェノールの抗菌作用・抗酸化作用のほか、血糖値低下の効能も期待できる。
ヤーコンは、サツマイモのような塊根をつけるキク科植物
ヤーコンは、サツマイモのような形をした塊根をつけるキク科の植物である。
ヤーコンイモとも呼ばれるほか、南アメリカのアンデス高原が原産地であるためアンデスポテトの別称もある。
甘味と梨に似た食感があり、サラダなどの料理に利用される
ヤーコンの塊根は、フラクトオリゴ糖を豊富に含有しているため甘味がある。
食感は果物のナシのようであり、甘味や食感が活かされサラダ、酢の物、漬物などの料理に用いられている。
火を通さずに、生のまま食すことも可能である。
塊根のほか葉も食用であり、主な用途はハーブティー(ヤーコン茶)の原料である。
抗菌・抗酸化作用のあるポリフェノールを含有する
ヤーコンの塊根にはフラクトオリゴ糖のほかにも、多種の成分が含まれている。
イヌリン、カフェ酸、ジカフェオイルキナ酸、プロトカテキュ酸などが挙げられるが、健康成分として特に注目度が高いのは、塊根のほか茎や葉にも含まれているクロロゲン酸である。
クロロゲン酸とはポリフェノールの一種であり、抗菌作用や強い抗酸化作用を有する成分である。
よってこの成分を含むヤーコンの抽出物を摂取すると、感染病予防やアンチエイジングの効果を期待することができる。
血糖値低下の効能も期待されている
ヤーコンには、血糖値低下の効能も期待されている。
人への有効性を示すデータはないが、糖尿病のマウスにヤーコンエキスを投与する動物実験では、血糖値の低下とコレステロール値低下の成果が得られているため、人にも有効な可能性は高い。
アナフィラキシーショックや、長期の大量摂取に注意
アレルギー体質者がヤーコン茶を飲用することは好ましくない。
ヤーコンの摂取を原因とするアナフィラキシーショックの事例が数件報告されているためである。
またアルコール性肝硬変の既往歴者がヤーコン茶を1日1~2L、3ヶ月ほど飲用したところ、黄疸の症状が表れ薬物性肝障害を発症したという事例報告もあるため、同病の既往歴がある者は注意し、また長期の大量摂取は避けるべきである。