メリロートは、ヨーロッパなどの温暖な地域に生息するマメ科の植物である。抽出液のメリロートエキスは、医薬品やサプリメントなどの健康食品に用いられている。メリロートエキス配合の健康食品は、むくみやセルライトに効果的とうたっているものが多いが、健康被害が報告されているため飲用量等には注意すべきである。
メリロートは、ヨーロッパなどに生息するハーブの1つ
メリロートは、セイヨウエビラハギの和名をもつマメ科の植物であり、ヨーロッパ、北アフリカ、北アメリカ、アジアなどの温暖な地域に生息している。メリロートは珍しい二年生植物であり、家畜のエサや緑肥に用いられるほか、ヨーロッパでは薬効を有するハーブとして医療に用いられている。
日本においても、メリロートから抽出される成分は、痔の薬など医薬品の成分に用いられている。
クマリンに、むくみやセルライト解消の効果を期待できる
メリロートはフラボノイドやサポニンなど数種の成分を含むが、最も注目されている成分がクマリンである。
クマリンには、血行促進によるむくみ改善やセルライト解消など、美容・ダイエット効果が期待できるためである。
クマリンをはじめとする有効成分は、アルコールや水で抽出した液を加熱濃縮することで得ることができる。
なおクマリンを0.6~1.8%含有するものは、メリロートエキスと呼ばれる(日本薬局方外医薬品規格より)。
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メリロートの健康食品に、肝機能障害の被害報告あり
メリロートエキスの美容・ダイエット効果をアピールしたサプリメントなどの健康食品も、数多く販売されている。
しかしメリロートエキス配合の健康食品が原因で、健康を損ねたという被害相談が国民生活センターに寄せられているため、利用の際は注意が必要である。
厚生労働省のホームページでも、以下の内容の健康被害事例を発表している。
【公表年月】2003年5月
【製品】DHCの健康食品「メリロート」
【被害者】女性1人
【被害内容】肝機能障害にて入院
過剰摂取やクマリンの含有量には注意すべき
国民生活センターが行った原因追及テスト(対象:メリロートを含む健康食品11種類)によると、有効成分であるクマリンの含有量にはかなりのばらつきがあり、またなかには、1日のクマリン摂取目安量が、医薬品の2~5倍に相当するものもみられたという。
この結果から、健康食品の種類によっては医薬品よりも体に強く作用する可能性があること、多量のクマリンが体に悪影響を与えた可能性が高いことが推測される。したがって国民生活センターでは、「クマリンの過剰摂取の注意」や「クマリン含有量を確認した上での商品選択」を、消費者に向けた利用上のアドバイスとしている。