サラシア(サラシア属)は、南アジアや東南アジアに生息するつる性の植物である。インドのアーユルブェーダでは薬効あるハーブとして、有効成分が溶け出した水を飲むなどの方法で用いられてきた。サラシアの効能は血糖値の上昇抑制であり、糖尿病の食事療法に取り入れられるとの意見もある。
サラシアは本来、「サラシア属」というのが正しい
サラシアとは、ニシキギ科あるいはデチンムル科のつる性の植物のことであり、学名をサラシア・レティキュラータという。サラシアは1つの植物を指す名前ではなく、本来は「サラシア属」というのが正しい。
サラシアは、南アジアではインドやスリランカ、東南アジアではミャンマーやタイなど、広域に生息している。
このうちでスリランカに生息しているものはコタラヒムブツと呼ばれており、コタラヒムブツはシンハラ語で「神の恵み」を表す言葉である。
アーユルヴェーダにおいて薬効を持つ植物である
サラシアは、インドの生命科学アーユルヴェーダにおいて、薬効を有するハーブとして用いられてきた。
「サラシアを材料とする容器に水を入れて有効成分を抽出し、成分が溶け出した水を飲む」。これがアーユルヴェーダでの主な利用方法である。
サラシアのハーブとしての効能は、血糖値の上昇抑制、糖尿病に対する有効性である。
これまでに行われた多くの試験とその試験結果が、サラシアの効能・効果を証明し得るものとなっている。
過去行われた試験の一例を以下に記す。
試験1
試験対象 |
2型糖尿病の罹患者66人 |
試験方法 |
炭水化物110 g・脂質12 g・タンパク質18 gと、サラシアエキス240mg又は480mgを摂取させる。 |
試験結果 |
血清中のグルコースとインスリンのピーク値およびAUC値の低下が認められた。 |
試験2
試験対象 |
健常者(ボランティア) |
試験目的 |
スリランカを生息地とするサラシアエキスの、食後の血糖値に及ぼす影響を検討。 |
試験結果 |
ショ糖摂取5分前にサラシアエキス5mgを摂取したことにより、30分後の血糖値上昇を抑制できた。 |
所見 |
サラシアの効能を、糖尿病の食事療法に取り入れられる可能性がある。 |
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大量摂取や疾病がある場合の摂取は控えるべき
健康な者が、サラシアのエキス(サラシア茶など)を口から適量摂取するぶんには、危険性はないと思われる。
しかし一度の大量摂取や妊娠中・授乳中の摂取、肝臓病を患っている場合の摂取は控えるべきである。
以下のような副作用の可能性や、動物実験の結果が報告されているからである。
- 腹部膨満感、腹痛、吐き気、げっぷ、下痢などの症状。
- 動物実験で、妊娠への悪影響が報告されている。
- 動物実験で、肝臓肥大の結果が報告されている。
またサラシアには血糖値の上昇を抑える作用があるため、血糖降下薬との併用により低血糖を起こすことが考えられる。したがって糖尿病で血糖降下薬を服用中の者は、注意が必要である。