ウォーターオーブンは、非常に高温な水蒸気で食材を焼き上げる調理機器。湯気と呼ばれる白い蒸気を300℃~400℃まで加熱、無色透明な過熱水蒸気で、茹で上げるのでも蒸すのでもなく、食材を焼き上げるのが最大の特徴。ウォーターオーブンでの調理は、余分な油や塩分を落とし、酸化抑制によるビタミン残留効果も見込めるため、健康面でのメリットが期待されている。
ウォーターオーブンとは?
ウォーターオーブンとは、肉や魚などの食材を過熱水蒸気で調理する機器。
一般のオーブンが高温の空気や輻射熱により、食材の表面から加熱していくのに対し、ウォーターオーブンでは300℃~400℃まで熱せられた過熱水蒸気により食材を加熱する。過熱水蒸気は空気に比べ大きな熱量を持っているため、食材の内部まで熱を通すことが可能。水蒸気での加熱は食材自体の水分蒸発を抑制するので、肉類などの調理でもパサつかずジューシーさを保つことができる。また、庫内を水蒸気で満たすため、食材が空気(酸素)に触れる時間が大幅に減少、油分の酸化が抑制され、ビタミンなどの栄養素の残留率も高まる。
ウォーターオーブンの効果
ウォーターオーブンで調理することによって、ダイエットや健康増進に様々な効果に期待ができる。過熱水蒸気の成分は水だが、300℃~400℃と一般的なオーブン以上の高温かつ熱量を有しており、短時間で食材を調理することで素材の旨みを生かし、栄養素を守り、減塩や余分な油を落とす効果が見込める。
これにより、脂っこい唐揚げや豚カツなども油脂分を効率良くカットすることができ、多少であれば、ダイエット中でも十分摂取可能なレベルまでカロリーダウンが可能とされる。
減塩
水蒸気が十分な高温に達するまでの間、食材は蒸気に晒されるが、このとき、食材の表面に結露した水分に余分な塩分が溶出。やがて、油分とともにしたたり落ちる。ウォーターオーブンと網焼グリルを使って魚を焼いた場合の比較実験によると、ウォーターオーブンでは10%超の減塩効果があったのに対し、グリルは数%程度に留まっている。
旨みを引き出す
一般的なオーブンに比べ、ウォーターオーブンは過熱水蒸気による大きな熱量を有している。そのため、短時間で食材内部まで加熱することでき、細胞破壊を抑制し、食材本来の旨みを溶出させず、中に閉じ込めることが可能となる。
余分な油を落とす
ウォーターオーブンはその熱量により、食材のより内部から効率よく加熱する。食材全体の温度上昇が早いため、一般的なオーブンやフライパンンに比べ油分の溶出も早く、より効率のよい脱油効果が期待できる。
栄養素を守る
ウォーターオーブンは過熱水蒸気──つまり、水で食材を包み込み加熱するため、空気中の酸素から食材を遮断する効果が期待できる。油分の酸化が抑制されるため、ビタミンCやビタミンEなどの残存率を高めることが可能となり、酸化に弱い栄養素や疲労回復に効果のある栄養素を守る効果が見込める。
ウォーターオーブンと一般調理器との比較では、栄養素の残存率はウォーターオーブンの方が高いことが実証されている。
スチームオーブンとの違い
スチームオーブンとウォーターオーブンの違いは加熱方法にある。
スチームオーブンは水蒸気とオーブンヒーターの輻射熱により加熱するが、ウォーターオーブンの加熱方法は過熱水蒸気のみとなる。
スチームオーブンも過熱水蒸気を用いるため、ウォーターオーブン同様、減塩・脱油効果を見込めるが、ヒーター使用時にはどうしてもその効果が低下、食材の栄養素残存率もまた低下する。一方で、ヒーターを併用することにより、全体的な調理時間を短縮することも可能であり、構造上、庫内の容量もウォーターオーブンに比べ多少大き目めである。