センナはアフリカ原産の植物であり、中国伝統医学では昔より漢方の生薬として用いている。センナの実や葉・茎が含有するセンノシドには、便秘解消やそれに起因する諸症状を改善する効果があるためである。腹痛や下痢の副作用リスクもあるが、長期摂取や過剰摂取、疾病薬との併用を避ければ、安全に薬効を得られるだろう。
センナは、便秘解消の効果をもつ薬用植物である
センナは、小さな黄色い花を咲かせるアフリカ原産の植物である。
和名をアレキサンドリアセンナやチンネベリセンナといい、中国名を番瀉葉、尖葉番瀉、狭葉番などという。
中国伝統医学においては、昔よりセンナを漢方生薬の1つとして用いている。
センナの実や葉に含まれるセンノシドという成分には、薬用効果があるためである。センノシドの有する効果は便秘解消が主であるが、便秘が起因する頭痛・のぼせ・肌トラブル・痔などの症状にも有効とされている。
食品に用いてよい部位は、センナの茎だけである
センナの実や葉を、お茶やサプリメントに配合し、食品として販売することは法で禁じられている。
実や葉は、医薬品の成分として扱うべきものだからである。食品に用いてよい部位は、茎に限られている。
外皮のついた茎にも、薬効をもつセンノシドが含まれるとされる。
ドイツ連邦保険庁のコンミッションEでは、センナの葉と莢を、便秘解消を目的に利用することを認めている。
コンミッションEとは、薬用植物の医薬品としての効果や安全性を評価する専門機関のことである。
IBS(過敏性腸症候群)による重い便秘症状の改善など、センナの有効性を示す試験結果も、多数報告されている。
長期・過剰摂取に、腹痛や下痢の副作用リスクあり
センナのセンノシドを長期あるいは過剰に摂取することは、危険性が示唆されている。
瀉下作用が強まり、腹痛、下痢、情緒不安などの副作用が表れ得るためである。
妊婦や授乳中は、母体および乳児に好ましくない影響を与える恐れが強いため、特に注意すべきである。
不整脈の薬、利尿薬、ワルファリンを服用中の場合も、薬の作用に影響を及ぼす可能性があるため、センナ摂取は好ましくない。
これらに該当せずとも、疾病治療中の者は、医師に相談した上でセンナを利用すべきである。
センナ商品は、目安量や使用量を守ることが大切
漢方薬のほか、センナの茎を原材料としたお茶もよく利用されている。
センナ茶の便秘解消効果を売りにした商品には、昭和製薬が販売する「でるでる茶」が代表例に挙げられる。
目安量は1日1~2袋(ティーバックの数)とされており、下痢の副作用を避けるためにも守るべきである。
他にも、センナの商品には伸和製薬が販売する「センナダイオウ錠」などがある。
こちらは医薬品であり、センナ末のほか、センナと同じく瀉下作用(下剤作用のこと)をもった大黄が配合されている。やはり使用量に規定があるため、安全に効果を得るためにも守るべきである。